4代目(2019〜)
SUVテイストを強調した「クロス」など三菱らしさ全開
そして2019年、現行モデルの4代目eKシリーズが登場。およそ6年ぶりの新型だが、三菱と日産の合弁会社NMKVが企画し、三菱の水島工場で生産されるところまでは先代と同じだが、今回は日産がいちから開発した。三菱の軽自動車づくりのノウハウと、日産の先進技術が融合したeKワゴンに生まれ変わったことになる。
大きな特徴は標準車に加え、三菱らしいSUVテイストあるクロスオーバーモデル、eKクロスを登場させたこと(日産のデイズにはないグレード)。その顔つきは新型デリカD:5にも共通する三菱のフロントデザインコンセプト“ダイナミックシールド”を採用している。クラスを超えた迫力みなぎるそのフルタイム4WD版は、まさに軽自動車のデリカだ(155mmの最低地上高は標準車と同じ)。
また、日産のプロパイロットに相当する先進運転支援機能、渋滞追従機能付きACCを含むMI-パイロットを用意したことも一大ニュースである。しかし、注目すべき点はそこだけにとどまらない。先代に対する走りのレベルアップは特筆モノで、とくに先代までのeKシリーズ&デイズの不満点だったNAモデルの動力性能が向上したことが極めつけのポイントである。
まさに、軽自動車の枠を超えた上質かつ先進的で走りも素晴らしい軽自動車が、発売から20周年を迎えた今のeKシリーズなのである。「いい軽」というコンセプトは、20年というときを経て進化を重ね、完成の域に達したとも言えそうだ。