「軽量・スタビリティ・高回転」世界最高峰の追求やまず
第7世代の991系は2011年に登場。基本的には正常進化にあたるモデルで、車重の軽量化にポイントが置かれた商品企画となっていた。
おもにアルミ合金素材の使用がその中核となり、997型に対して60kg程度の軽量化を可能にしていた。また、ホイールベースが100mm延長され、スタビリティの向上が意図されている。
エンジンは997後期型で投入したDFI方式の9A1型を改良して搭載。ストロークを短縮して3436ccとしたが機関効率の改善、高回転型とすることで出力/トルクは350ps/39.8kg-mに向上。トランスミッションは7速MTと7速PDKの2タイプに整理されていた。
そして現行モデルとなる第8世代の992系が2018年に登場。大きな特徴は、エンジンがレース用のGT3を除き、全車ターボチャージャー付きとなった点だ。当初エンジン排気量は3L(2981cc)のみで385psだったが、2020年にターボ/ターボSを追加。こちらは3.8L(3745cc)となり、ターボSは650psを発生する世界第一級のスーパースポーツとして設定されている。また、自然吸気仕様のGT3/GT3ツーリングも510psと4Lの自然吸気エンジンとしては破格の出力を叩き出すレベルにある。
いつの時代も、世界のトップレベルを目指すスポーツカーとして企画されてきたポルシェ911。時代によってスポーツカーが不遇な時期もあったが、つねに考え得る最新のメカニズムを投入し、世界のトップランナーたることを目指してきたポルシェの姿勢は、60年近い歳月を費やして、911というかたちで今も具現化され続けている。