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幻の「カウンタックLP500」が「復刻」! 2万5000時間かけて行われた「執念の再製作」の舞台裏

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Lamborghini/Pirelli/Auto Messe Web編集部

ディテールと機能を可能な限り正確に再現

 2017年の終わりにクラシックカーの愛好家で、ランボルギーニの重要な顧客がポロストリコに「当時の写真でしか知られていない伝説的なモデルである、カウンタック LP500を再製作する可能性があるかどうか」を尋ねた。

 この問い合わせがあってからの最初の数カ月は、カウンタック LP500に関する入手可能なすべての資料を集め、詳細な分析を行うことに費やされた。「資料と文書の収集は非常に重要だった」と、サービス責任者兼ポロストリコのジュリアーノ・カッサターロ氏は語っている。ランボルギーニ・カウンタックLP500 カウンタック LP500の細部、全体的な一貫性、技術仕様を知ることに注力し、写真、文書、会議報告書、原画、そして、当時の思い出といったすべてのことが、ディテールと機能を可能な限り正確に再現することに貢献したのだという。また、オリジナルのLP500に装着されていたタイヤを再現するため、Fondazione Pirelli(ピレリ財団)から歴史的なアーカイブ資料が提供されたことも大きかった。ランボルギーニ・カウンタックLP500

ボディワークは往時と同じ手順で行われ製作

 再製作に向けての実際の作業は、プラットフォームシャーシを造ることから始まったが、これは、その後の市販版カウンタックの管状フレームとは完全に異なるものである。ポロストリコは、物理的に再設計するだけでなく、当時の製造方法を尊重するために、どの作業システムを採用して構築するかを決定する必要があった。

 そこでボディワークは往時と同じ手順で行われ、その分析と定義にはさまざまな最新技術機器が活用された。鈑金の工程では、イタリアの伝統的な鈑金技術である「バティラストラ(battilastra)」によって作業。

 1971年に登場したプロトタイプが装備していた、照明付きの診断機器を含むインテリアについても同様のプロセスを実行。往時のコックピットが完全再現された。機械部品についてはランボルギーニのスペアパーツまたは復元されたコンポーネントを使用し、不具合があった場合、該当するパーツは完全に再構築されている。ランボルギーニ・カウンタックLP500 カウンタック LP500のオリジナルデザインの歴史的再構築の重要な部分として、ポロストリコは既述したようにランボルギーニのチェントロスティーレに目を向けた。そこでは、デザイン責任者のミィティア・ボルケルト氏が率いるチームが非常にやりがいのあるプロジェクトに取り組み始めた。

「LP500は、カウンタックのあとに続いたすべてのモデルのデザインDNAを生み出したため、ランボルギーニにとってもっとも重要なモデル」とは、ミィティア・ボルケルト氏の言葉。1971年のジュネーブで発表されたクルマを再現するために、まず、1/1スケールのスタイリングモデルが製作された。

最終モデルに辿り着くまでにトータルで2500時間を費やした

 クルマ自体とともに時間の経過によってさまざまなモノが失われたが、写真による広範な証拠は残っていた。往時の出版物のチェックから始め、ホモロゲーションシートの画像やポロストリコが回収したそのほかの資料から、最初の1/1スケールモデルを作成するために必要な数学が再構築されたのだ。ランボルギーニ・カウンタックLP500 最大の課題は、クルマの正確なボリュームを作成することだった。このために、膨大な情報源であるLP400(シャーシ:001)の3Dスキャンが行われた。最終モデルに辿り着くまでに、トータルで2000時間の作業を必要とし、満足のいくボディラインが完成した。インテリアについても、まったく同じ手順に従って再現されている。ランボルギーニ・カウンタックLP500

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