オールジャンルミーティングで見かけた注目モデルを紹介
10月某日、オールジャンルミーティング「C/PARK DEP」がスポーツランドSUGO(宮城県)のMパーク駐車場にて開催された。全国各地から400台を越えるカスタムフリークを集めた本イベントだが、今回は国産ネオヒストリックカーにスポットを当てる!
ネオヒストリックカーの色褪せない魅力とは
ネオヒストリックカーとは1980~1990年代に生産された車両で、280psウォーズと称されたハイパワー車を筆頭に、現在も人気の高い国産スポーツカーが多い。なかには異様とも思えるプレミアが付いて、新車価格を上まわるプライスの中古車も。そんなネオヒストリックカーに憧れた青春時代を送り、ようやく手に入れたオーナーたちに話を聞いてみた。金銭面やメンテナンスの苦労はありながら乗り続ける理由、また今のクルマにはない魅力やカスタムのコダワリは何だろうか?
トヨタ・スープラ(JZA80):あえてNAのSZ-Rを選んだオーナーのこだわり
まずはスープラ(JZA80)に乗るAさん。根っからのトヨタ党で以前はレクサスGS350に乗っていたが、当時も「スポーツカーを買うなら絶対に80スープラ!」と思っていたという。
グレードは280psのターボじゃなく自然なフィーリングのNAを選び、ミッションはターボと同じゲトラグ製6速を積む『SZ-R』だ。
基本的に純正のシルエットを踏襲するが、フロントのみRIDOXのバンパーとディフューザーを装着する。純正オプションのサイドとリヤとのマッチングも上々で、前後フェンダーのツメを折っていないのも大きなコダワリ。
19インチのアドバンGTから顔を覗かせるブレンボ製キャリパーはR35純正で、ローターを含め前の愛車からブラケットをワンオフで作り移植したそうだ。またフロント3面のガラスにブレインテックの『ゴースト2ネオ』を施工するなど、80スープラが新車で販売されたころには存在しなかったカスタムも。
スタイリングは当時のままピンポイントで最新の流行を取り入れ、カッコよさと乗りやすさを両立させて楽しんでいる。インテリアでは純正っぽいデザインに惹かれて購入したRIDOXのドリンクホルダー、ほかに付けている人を見たことがない純正オプションのシートカバーがポイント。
古いクルマだけに電装系のトラブルに見舞われたこともあるが、気に入らない部分がないほど惚れている80スープラだけに、これからもリフレッシュしつながら長く付き合い続けていくそうだ。
ホンダNSX(NA1):国産スーパーカーの代名詞
次は国産車で唯一のスーパーカーと評された、初代NSX(NA1)を3年前に購入したBさん。ほかのスポーツカーとは一線を画すスタイリングに、子どものころから強い憧れを抱いていたそうで、ツーリングにサーキットに相棒としてともに活動している。
エアロはフロントのみ純正でサイドとリヤは『ガレージカイト』の後期風、純正のスタイリングを崩さずに自分のセンスも取り入れた。
同じくルックス面でこだわったのはパナスポーツのホイールで、車両の年代と近くNSXでは履いているのを見ないG7-C5Cをチョイス。
サスペンションは326パワーの車高調で吸排気系にもひととおり手が入り、今後は機械式LSD/強化クラッチ/軽量フライホイールも導入する予定だ。
インテリアの次なる課題はオーディオ。パネルを含めた純正のデザインが気に入っているため、見た目を変えないまま音質や使い勝手を高めるべく思索中だという。
NSXはサーキット走行だけじゃなく、街乗りでも十分に魅力を味わえるクルマ。これからも「見た目6割&走り4割」をコンセプトに、幼い日からの夢だった相棒とのカーライフを満喫していく。
日産スカイラインGT-R(BNR32):昔から憧れの存在を手に入れた
最後は数あるネオヒストリックカーのなかでも、国内外でとくに高い人気を誇るBNR32に乗るCさん。やはり昔から欲しかった憧れの存在で、3年前に購入しカスタムを始めたという。
外装のコダワリは「GT-Rといえばニスモ!」とのことで、フロントバンパーに定番のニスモ製ダクトを追加、サイドステップも同じくニスモを選んでいる。
足まわりのセッティングはフェンダーのツメを折らないまま、どれだけローダウンしつつホイールをツライチに近付けるかを追求。
結果としてホイールはSSRのSP3で9.5J×18+10、車高調はテインのフレックスをベースにスプリングのみ変更し、スマートながらもワイド&ローな迫力あるスタイリングを実現した。ボディと同色にペイントした純正リップスポイラーも、ボディ全体の統一感を高めるのに大きく貢献している。
インテリアでも大事にしているのは違和感のなさで、ステアリングのモモ・ヴェローチェやレカロSR-3といったアイテムは、すべてBNR32が新車で販売されていた当時の雰囲気を損なわないよう厳選。
今後は長く乗るために足まわりのリフレッシュや、エアロミラーの装着を計画しているそうだ。雨が降った日は乗らないため稼働率はそれほど高くないが、ブレーキフルードが漏れてレッカーを依頼するなど、最近は月イチで何かしらのトラブルが起きているとか。それでもカスタムはすべて自ら手がけているだけに、愛着も乗り続ける意欲も衰えることはない!
まとめ:希少価値は高くなっているが、気兼ねなく乗ることはできる
生産を終えてそこそこの年月が経ったとはいえ、それ以前の『旧車』と比べれば実用性は十分だし、最新モデルにはない味も多いネオヒストリックカー。今後も市場からタマ数が減るいっぽうで、それに反比例して希少価値は高まっていく。今は修理にしろカスタムにしろ部品を手に入れやすいが、それも少しずつ減っていくだろうと予想される。車両価格や保管場所はハードルになるものの、いい状態で気兼ねなく乗りまわしたいなら、決断を先延ばしする余裕はないのかもしれない。