入門編として中古で走りの良さを体感するのもアリ
走りを楽しみたいと考えると、ベースとなるクルマを買って、走りに振ったパーツを装着して……と意外とお金がかかってしまうもの(もちろんフルノーマルで走っても楽しいのだが)。かといってすでにカスタマイズ済の中古車となると、前オーナーがどんなチューニングをしているか不明な点も多く、信頼性に欠けるという難点がある。
そこでオススメしたいのが、メーカー純正チューニングが施されているワークスコンプリートカーの中古車だ。新車時に架装されているものだけあってそのクオリティは純正同等であるし、ディーラーへの入庫の際にもカスタマイズしていることを理由に拒まれることもない。
今回はそんなワークスコンプリートカーの中古車の中でも車両本体価格150万円以内で狙える車両をピックアップしてみたぞ。
トヨタ・パッソ TRDスポーツM
トヨタのパッソといえばトヨタの普通車ラインアップにおけるエントリーモデルであり、日常のアシとしてや会社の営業車としてなど、スポーティな走りとは無縁のイメージが強い。しかし、初代モデルにはあのTRDが手掛けた「TRDスポーツM」というモデルが存在していたのだ。
これは直列4気筒1.3Lを搭載し、エアロパーツをまとった「レーシー」というグレードがベース。そこに専用の30mmローダウンのサスペンションとスポーツマフラー&エアフィルター、MOMO製のステアリングホイールなどがプラスされたもの。
そしてもっとも特筆すべき点が、ベース車には存在していない「5速MT」が用意されている点だ(4速AT仕様もあり)。パワーこそ95psと控えめだが、925kgと軽量なボディとTRDのサスペンションで、キビキビ感の増した車両をMTで操る楽しさは格別である。
そんなパッソTRDスポーツMの中古車は、ほぼすべての個体が総額でも100万円以下となっており、総額50万円以下のものも珍しくない状態だ。
マツダ・マツダスピードアクセラ
マツダのコンパクトハッチ&セダンであった、ファミリアのあとを継いで2003年に登場したアクセラ。最量販グレードは1.5Lエンジンを搭載した何の変哲もない車両なのだが、このハッチバックモデルに2.3Lのターボエンジンを押し込んでしまったのがマツダスピードアクセラである。
2006年に初代アクセラへ追加設定されたマツダスピードアクセラは、2009年に登場した2代目アクセラにも継続設定。264ps/38.7kg-mという大出力をフロント2輪に与えるというじゃじゃ馬FFスポーツとなっており、組み合わされるトランスミッションもこの世代のアクセラでは唯一となる6速MTが与えられていた。
そんなじゃじゃ馬ホットハッチの2代目マツダスピードアクセラも、今では150万円以下の個体がほとんど。走行距離も10万km未満のものもこの価格帯となっているのは、若干知名度が低いからなのだろうか。