ドレスアップアイテムとして人気のホイールスペーサー
クルマをカスタマイズするユーザーが、ドレスアップアイテムとして装着するホイールスペーサー。名前こそよく聞くものの、そもそもの役割はどのようなものなのか? そしてメリットやデメリットとは? 気になるポイントを紹介しよう。
ホイールスペーサーってそもそも何?
愛車をドレスアップしたい。そう思ったときに比較的誰でも手が出しやすいのが、タイヤとホイールの交換ではないだろうか。タイヤ&ホイールは、足元を手軽にカッコよくしてくれる。その要素にスペーサーを加えることでタイヤとホイールを外側に出し、さらにカッコよくしてくれる役割を果たすのが、ホイールスペーサーだ。
ホイールスペーサーとはハブと呼ばれる車軸部分に装着し、フェンダーとホイールのクリアランスを少なくするドレスアップアイテムのこと。スペーサーの厚みの分だけ車体の外側へホイールを出すことでいわゆるツライチとすることがおもな役割。
上記の理由からも人気のドレスアップアイテムのひとつだ。ちなみにホイールスペーサーの価格は、3mm~5mm程の薄いタイプで1枚1000~2000円で買うことができるのも魅力的だ。
ホイールスペーサーの装着について
ホイールスペーサー装着のメリットは、前述のとおり、装着することで車体のフェンダー面とホイールの面を揃える「ツライチ」を実現できるのがメリットだ。本来であればホイールのリム幅やインセットなどでフェンダーとのクリアランスを調整するのが基本ではあるが、やはりミリ単位で突き詰めていくと、ホイールスペーサーでの調整がより理想的なツライチセッティングを実現できる。
また、装着することでトレッドが広がることも、走行性能向上につながるという点も付加価値といえるだろう。
ホイールスペーサーにはハブとホイールの間に挟み込むだけのものと、純正ハブボルトに装着し、スペーサーから出ているボルトにホイールを装着するワイドトレッドスペーサーの2種類が存在する。
一般的なスペーサーの取り付け方法について説明しよう。まずは車両をジャッキアップし、ホイールナットを緩めて、ホイールを外す。このとき、安全のため外したタイヤは車体の下に置くようにしよう。その後、ハブにスペーサーを入れてからホイールを戻し、ナットを締めるというだけ。
このとき、ハブに錆や汚れが付いていたら落とすことも忘れずに行いたい。また、ジャッキからクルマを降ろしたとき、ホイールを必ず規定トルクで締めることも忘れずに。
ワイドトレッドスペーサーの場合は車体のハブボルトとワイドトレッドスペーサーをナットで締め込み、スペーサーのボルトにホイールを嵌めてナットで絞めこむ。基本的にこの2種類のスペーサーは厚みが数種類あるが、スペーサーの場合3mmから8mm程度、ワイドトレッドスペーサーの場合10mm以上のものが一般的だ。
ワイドトレッドスペーサーの場合、その構造や使用場所からかなりの負荷がかかるため、強度などには注意したい。また、挟み込むだけのスペーサーと比べ、ワイドトレッドスペーサーの場合、車体のハブボルトにナットで絞めこんだ際にトルクレンチでしっかりと増し締めが必要なのはもちろんのことだが、少し走行してからの増し締めを行う際に一度ホイールを外す必要がある。
さらにワイドトレッドスペーサーを増し締めするために一度ホイールを外すため、ホイールの増し締めも含め2度作業しなくてはいけないという手間が生じ、かなりわずらわしく感じるユーザーもいるだろう。しかし、この作業に関してはとても重要な作業となるので確実に行いたい。
ワイドトレッドスペーサーの場合、国産のメジャーなメーカーのもののなかにはサーキットでの使用までも視野に入れた高い強度を持つものもあるので、安全性のためにはこういった製品を積極的に選びたい。
ホイールスペーサーの交換に関する注意点
ホイールスペーサーを装着する場合、ホイールの面とフェンダーを揃えることばかりに気を取られると、重大な事故につながる恐れがある点には注意しておきたい。具体的には5mm以上になってくるとスペーサーを嵌めることでハブボルトにホイールナットがかかる量が減少し、緩みやすくなる恐れがある。
なるべく最低限の厚みとすることでボルトにかかる量をある程度は残したいところだ。万が一スペーサーを厚くしたいがハブボルトの長さが足りない場合はハブボルト自体を、ロングハブボルトと呼ばれるものへ打ち換える必要がある。
もちろんこのボルトは純正以上に強度のあるものを選びたい。高速で重量物が回転するものを支えるとても重要な部品となるため、品質にはこだわりたい部品だ。ワイドトレッドスペーサーについては、前述のとおり強度に注意が必要。
そして、もっとも気を付けたいのが、ホイールが車体から出ないようにすること。いわゆるハミタイという問題で、車体からタイヤがはみ出ている場合は車検をパスすることができないので注意が必要だ。ツライチを極めるためにギリギリを狙いすぎると、このハミタイとなってしまう場合があるので、出幅などは少し余裕をもってチョイスしたい。
ただし、車高調整サスペンションなどでキャンバーがついている場合、基準となる場所さえフェンダーに収まっていれば車検対応となるので、そのあたりは信頼できるショップなどに相談しながら慎重に選びたい。
ワイドトレッドスペーサーの場合はハブリングと呼ばれるセンター部の位置ずれを防止するパーツもセットに含まれていたり、別売りで用意されていることが多いので、高速走行などでブレを抑えるためにも装着しておきたいアイテムだ。
記事まとめ
ドレスアップアイテムとして人気のホイールスペーサーだが、選び方を間違えると重大な事故へつながることを認識しておくことが大事だ。しかし、きちんとしたものをチョイスすることでカッコいいエクステリアを手軽に手に入れることができる。ぜひしっかりと調べて愛車にマッチするスペーサーを選んでほしい。