欧州の伝統車は今でもセダンが基本にある
このような事情も踏まえると、メーカーはもう少し伝統あるセダンの価値を大切にすべきだ。セダンは低重心で、後席とトランクスペースの間には隔壁や骨格があるからボディ剛性を高めやすい。このふたつの要素は走行安定性と乗り心地を向上させ、独立したトランクスペースがあると後輪のタイヤが発するノイズも抑えられる。
このようにセダンは、SUV、ミニバン、コンパクトカーなどに比べると「安全と快適」を高めやすい。そのために欧州車では今でもセダンが豊富で、BMW3シリーズなどでは売れ筋のボディタイプとされる。「運転の楽しさ」を訴求してもユーザーに響かないが、「安全と快適」に対する関心は高い。
だから伝統ある車種は、もう少しセダンの開発と拡販で頑張ったらどうか。SUVに本格移行するのは、それからでも遅くない。