日産の商用車の代表格「キャラバン」の歴史
日産の働くクルマであるキャラバン。先日マイナーチェンジを受け、ガソリンエンジン仕様の車名がNV350キャラバンからキャラバンに変更されています。この手の商用バンというのは社会のためになくてはならない存在ですが、キャラバンは移り行く社会のなかでどのように進化してきたのでしょうか? その歴史を振り返ってみたいと思います。
初代:最大15人乗り仕様もラインアップ
1973年に初代が登場しました。標準ボディやロングボディなどいくつか仕様が用意されているのは今と変わりありませんが、最大で15人乗りの仕様が用意されていて、エクステリアデザインはバスをそのまま小さくしたようなという表現がピッタリです。エンジンは1.5Lと1.6Lの2種類が用意されました。 1976年にはプリンス店向けの姉妹車ホーミーがモデルチェンジ。キャラバンの姉妹車になります。なお、ホーミーは日産に吸収合併される前に登場させたマイクロバスです。この時点で1.6Lは廃止され、代わりに2.0Lがラインアップに追加しています。
1978年にはマイナーチェンジを実施。ラインアップにハイルーフバンが加わり、2.2Lのディーゼルが選択可能となりました。
2代目:シートアレンジが豊富に
1980年にフルモデルチェンジをして2代目へと進化。エンジンラインアップはディーゼルエンジンの2.2Lと2L、ガソリンエンジンの1.6Lと2Lになりました。 この世代では乗用モデルであるコーチで装備の豪華化が進みました。その象徴とも言えるのが特別仕様車であるシルクロードの登場です。8人乗りモデルには、サンルーフやセカンドシートとサードシートが対座になるシートアレンジなどが用意されていました。商用バンというよりかは現在のファミリーカーとして存在するミニバンのようです。 また、7人乗りのシルクロードは2列目のアームレスト付きシートをリムジンシートと表現。ミニバンというジャンルが日本で確立される前からこのようなアピールをしていたのは、未来を見据えていたと感じさせます。
3代目:時代を反映し豪華路線へ
1986年に3代目はデビュー。初代、2代目とあまりエクステリアデザインに代わり映えがしなかったですが、この3代目で一気に近代的なデザインになりました。 また、ツインガラスサンルーフやディーラーオプションでカーテレビが用意されるなど、バブルという時代の流れもあってか、乗用モデルはより豪華路線へと進化していきます。 1988年には当時高性能モデルの代名詞のひとつでもあったV6エンジンがラインアップに加わり、商用バンの枠を越えていくような発展性を見せます。 1990年に行われたマイナーチェンジでは8人乗りの最上級グレードとしてリムジン、7人乗りの最上級グレードとしてロイヤルを設定。オプションで本革シートなども用意されていました。当時のハイソカーのトレンドとも言えるブラックとメタリックグレーの2トーンカラーも用意され、商用バンがベースであることを感じさせないカッコよさを持ったモデルでした。