4代目:商用バンとして原点回帰
15年という長きに渡り販売され続けていた3代目ですが、その間に時代も変化しています。高級志向のバンが売れるということがわかったためか、日産は1997年から「最高級新世代1BOXの提案」と名を打ちエルグランドを販売。これが大ヒットとなり、今日の高級ミニバンブームへと続いていきます。 そこでキャラバンは商用バンへと原点回帰。2001年に登場した4代目は歴代モデルたちに比べると、プレーンで商用ユースに適したエクステリアデザインになりました。 それはグレードにも表れていて、ロイヤルやシルクロードといった乗用モデルに名付けられそうなグレードを撤廃。すべてアルファベット2文字のグレード名称となりました。
その代わりロングボディ車の全長を4ナンバー枠に収めつつ(4690mm)も、積載荷物を市場調査し車内寸法を決めたり、荷室のホイールハウス間の寸法を最大限広くするよう配慮したりと、商用車としての性能に磨きをかけています。
5代目:安全装備が充実しさらに洗練された
現行モデルとなる5代目は2012年に登場。11年ぶりのフルモデルチェンジとなり、車名を「NV350キャラバン」へとあらためました。 先代モデルよりもさらに荷室の使い勝手が向上しているのが、5代目の注目ポイントです。当時4ナンバー商用車でクラストップとなる、3050mmという荷室長を実現。また、ユーティリティネットをバンに標準装備し、棚を設置するなど積載アレンジがしやすいように、タイヤハウス上面をフラットにするといった配慮がなされています。
2016年にはこのクラス初となる衝突被害軽減ブレーキや、ヒルスタートアシストなどが採用され安全性を向上。2017年にはアラウンドビューモニターを採用するなど、働く人たちの安全と快適をサポートするモデルへと進化しているのです。
まとめ
キャラバンの歴史を振り返ると、商用バンから高級ミニバン、そしてまた商用バンへと時代が「バン」というボディタイプに求めるニーズを反映してきたモデルであることが読み取れます。先日のマイナーチェンジでガソリンモデルはキャラバンへと車名が戻りましたが、再スタートを切ったとも言えるキャラバンはこれからどのように時代のニーズをくみ取っていくのでしょうか?