元祖「走りのハッチバック」カローラFX
話をカローラFXに戻すと、ライバルはホンダ「シビックSi」。それは市販車のみならず、当時人気だった、市販車をベースとした日本最高峰のレースである「全日本ツーリングカー選手権」でもバチバチと火花を散らしまくったほどである。
そんなカローラFXは、小型ハッチバックの需要があった日本でも多く見かけたが、最大の目的は日本国内ではなかった。小型車はセダンよりもハッチバックが一般的な欧州に向けた、カローラの主力ボディだったのだ。
1987年にはフルモデルチェンジで2代目にバトンタッチされ、1992年には3代目へ進化。しかし1995年には国内販売を終了している。 とはいえ、カローラのハッチバックの歴史はそれで終わりではなかった。欧州では3ドア/5ドアハッチバックのカローラの販売が継続されていた(WRCにもカローラのハッチバックで参戦)。2001年には「カローラランクス」として日本向けもハッチバックが復活し、その後はカローラの名前を外し「オーリス」として、海外仕様カローラのハッチバックに相当するモデルが売られていた。 そして現在は、2018年6月に「カローラスポーツ」として名実ともにカローラのハッチバックとして復活。マニュアルシフトを用意するなど、“あのころ”に走りを楽しんだユーザーが、ふたたび所有したくなる余地をしっかり残してくれているのが嬉しいかぎりだ。