オールジャンルミーティングで見かけた注目モデルを紹介
10月某日、オールジャンルミーティング「C/PARK DEP」がスポーツランドSUGO(宮城県)のMパーク駐車場にて開催された。全国各地から400台を越えるカスタムフリークを集めた本イベントだが、そのなかでも本誌注目のオーナーカーを紹介しよう。
bBの異彩を放つ派生モデル「オープンデッキ」
販売台数が32万を超える大ヒット作となった初代bB。エッジの効いたワルっぽい外観と広い室内区間で、若者を中心にカスタムのベース車としても人気を博した。そのなかで異彩を放っていたグレードが、ピックアップ・スタイルの『オープンデッキ』だ。
ターボエンジン+MTに換装
まず注目したいのは、妙にスッキリしたエンジンルーム。配線類をフェンダー内に通すなど見えないように処理する、アメリカ発祥の『ワイヤータック』と呼ばれる手法で仕上げられている。
軽量化の間引きとは違い実用性はそのまま、あくまで『見せる』ための演出でありインパクトは絶大だ。ワイヤータックばかりに目を引かれるが、エンジンもヴィッツに設定されていたターボ仕様。扱いやすさと力強さを兼ね備えた1500ccの150psで、ノーマルとはまるで別モノの加速を味わえるという。
もっともターボで武装したエンジンだけなら、専用のキットもありさほど珍しいワケじゃない。特筆すべきは純正では存在しなかったマニュアルミッションへの載せ替えで、シフトの位置もステアリングコラムから一般的なフロアに移動。
併せてクラッチ関係のパーツも移植しており、シフト操作でキビキビと走ることが可能になった。
意外と流用が難しかったハーネス類
見た目こそノーマルのように仕上がっているが、苦労話にはこと欠かないとYさんは話す。もっとも大変だったのは配線。bBはヴィッツを筆頭にプラッツやファンカーゴなど兄弟車が多く、また長年に渡って生産されたこともあり、メインのハーネスやECUが何種類もある。コレで大丈夫だろうと思って繋いでみたら適合せず、パーツリストをしらみ潰しに調べたり加工なんかも日常茶飯事。
とくにメーター関係の配線が多いダッシュボード内は手を焼いたそうで、仲間たちの手を借りつつ2年の歳月をかけて完成させたそうだ。
もうひとつはユニットごと移植したABS。本体はフロントバンパーの内部に隠し、配管をほとんど作り直したという。
ハイラックス純正部品も流用したエクステリア
エクステリアはシンプルさを心がけており、エアロはフロントに純正オプションのリップスポイラー、ほかはノーマルでボディカラーもホワイトとシルバーと、街に溶け込む自然なスタイリングを目指した。
いっぽうで足まわりは「低くても走れる」がテーマで、Tディメンドの車高調にアクスル&ロアアーム加工、メンバー上げと徹底的に手を入れている。
ハイラックス純正がそのまま装着できたクリアなテールレンズと、それと似たテイストで自作したハイマウントストップランプも面白い。
もっともコレでYさんの理想とする姿になったワケじゃない。次はやや古くなってきたインテリアに手を付ける予定で、内装の張り替えを始め大まかな計画はすでに頭のなかにあるようだ。ベース車両の希少性もさることながら、作業のほとんどをプライベートというからすごい。まだまだ進化しそうなYさんのbBオープンデッキ、次のステージではどんな姿になるのか乞うご期待!