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見た目は「ほぼ廃車」? あえてサビを愛でるカスタム「ラット」と「パティーナ」って何?

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: Auto Messe Web編集部 竹内耕太

「ラットスタイル」と似て非なる「パティーナ」とは?

 ここまで紹介した「ラットスタイル」と同列で語られることが多いスタイルとして、「パティーナ」というワードを聞いたことがあるだろう。ラットスタイルと混同している人も多く、現在では徐々に融合し始めている感もあるが、じつはまったくの別物。

 そもそも「パティーナ」とは日本語にすると「経年劣化した風格」といった意味になる。クルマの世界では本来は、新車当時のいわゆる「オリジナルペイント」が経年劣化し、ツヤがあせたり、塗装表面にプツプツとサビが浮き上がっている状態を指し、「Patina Paint」と呼ぶ。

パティーナのお手本のようなビートル つまり新車でラインオフした状態を限りなくそのままにキープしている車両に使われるもので、カーオークションの世界の「Untouched body」と同義語。カサカサボディの総称では決してないのだ。

 ところがこれが拡大解釈され、サビサビのボディや半艶のクリアで塗装したようなボディまでパティーナと呼ばれるようになってしまったのが現状。だいぶ本来の意味からはかけ離れてしまっているのだ。

古いクルマをレストアするのはもう古い?

 さて、ここまで見てきてお判りだろう。ラットやパティーナというスタイルは、決してお金がなくてレストアしていない訳ではない。あえてレストアしていないのだ。

 その楽しみ方はさまざまで、レストアするまでの期間限定でラットなスタイルを楽しむ人もいれば、新車当時の塗装やスタイルをかたくなに維持する人もいる。

 いずれのパターンにも共通しているのは、経年劣化した塗装やボディに歴史的価値や一種のノスタルジーを感じているという点。どんなにお金をかけてレストアしても、新車を購入しても、この塗装が過ごしてきた歴史だけは決してお金では買えないアドバンテージなのだ。

このVWカルマンギアも足元はピカピカ もちろん塗装をスコッチブライトで擦ってカサカサにしたり、サンポールをかけてわざとサビさせたりしたようなクルマは邪道。大切な愛車を傷めつける行為でしかないので、お間違いなく!

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  • 「横浜ホットロッドカスタムショー」にてラットスタイルのお手本
  • ラットなVWバス。足元やアクセサリーは綺麗。
  • シトロエンHバンのラットカスタム
  • パティーナのお手本のようなビートル
  • このVWカルマンギアも足元はピカピカ
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