スズキ・スイフトスポーツ
日本では4代目となる現行スイフトスポーツには、歴代初のターボエンジンが搭載されている。そのK14C型1.4L直4直噴ターボ「ブースタージェットエンジン」は型式こそ4代目エスクードと同じだが、エスクード用はレギュラーガソリン仕様で、最高出力・最大トルクは136ps/5500rpmと210N・m/2100〜4000rpm。
方やスイフトスポーツ用のK14Cはハイオクガソリン仕様で、最高出力・最大トルクは140ps/5500rpmと230N・m/2500〜3500rpm。パワーは4psのアップに留まるもののトルクは20N・mも増強されており、6速MT車で970kg、6速AT車で990kgという軽量ボディには充分すぎるほどの性能だ。
しかも、低回転域から扱いやすいフラットなトルク特性を持つエスクード用に対して吸排気系や冷却系を変更し、ウェイストゲートバルブにはタービン回転数を高く保つノーマルクローズ制御を採用。アクセル操作やエンジン回転数に対し、よりレスポンスよくリニアなパワー・トルク特性と排気音量を実現している。そしてその価格は、6速MT車で201万7400円(税込)。スズキセーフティサポート非装着車なら187万4400円とさらに安く、社会人になりたての若者にも優しいホットハッチだ。
スズキ・アルトワークス
8代目となる現行アルトには、そのデビューから3カ月後となる2015年3月に、スポーティなターボモデル「ターボRS」が追加されていた。だが同年12月には、よりホットなモデルとして「ワークス」の名が15年ぶりに復活。
R06A型0.66L直3ターボエンジンも専用チューニングが施され、最高出力は自主規制枠いっぱいの64ps/6000rpmとそのままながら、最大トルクはさらに2N・m高い100N・m/3000rpmへと引き上げられた。
だがその性格はスペックとは裏腹に大きく異なる。ターボRS用がアクセル操作やエンジン回転数に対してリニアに加速する扱いやすい特性だったのに対し、ワークス用はアクセルペダルを踏んだ瞬間にスロットル全開になるかの如く、まるでオンオフスイッチのようにピーキーな特性。
しかしながら、こうしたじゃじゃ馬的なキャラクターはワークスの復活を長年待ち望んでいたユーザーに好評をもって迎え入れられ、ターボRSが2018年12月の一部改良に伴い廃止されたのに対し、ワークスは現在も販売が継続されている。こちらも価格はFF・5速MT車で153万7800円と安く、免許取り立てのクルマ好きが腕を磨くのにうってつけな1台と言えるだろう。