普段では遭遇しない異音や振動に驚かないように!
一般道とは比較にならないほど、大きな負荷のかかるサーキット。全開で走っている最中もしくは走り終えてからの帰り道、何かしらの異音や振動を感じたことがある人も多いだろう。ある程度の経験者なら、走行に支障があるかないかわかるが、ビギナーは焦ってしまい冷静に判断するのが難しい。そこで、代表的な異音や振動の例をいくつか挙げ、原因や最適と思われる対処法を考えてみたい。
タイヤ付近の異音&ステアリングの振動
まずは走行を重ねていったときに発生する、タイヤ近辺からの異音とステアリングに伝わる振動。ホイールナットが確実に増し締めされていると仮定すれば、コイツの原因は大半が路上に落ちていたタイヤのカスだ。
サーキットの路面は一般道よりグリップするうえ、タイヤにかかる荷重もケタ違いに大きいので、まるで消しゴムのようにゴムの表面が削れてしまう。それらは遠心力によって飛ばされコースのアウト側に集まるため、クーリングしたり他車に道を譲ったりしてレコードラインを外すと、自分のタイヤで拾い上げて異音や振動の原因になる。
少しの量なら走行中に飛んでいく可能性もあるが、あまりに酷ければ一旦ピットに戻って掃除しよう。当然ながらグリップは落ちるし振動で正確な操作にも支障をきたすので、安全と走行時間をムダにしないためにも一刻も早く対処するべし。なお、コースイン直後に慣らしを兼ねてゆっくり走る際、どこにタイヤのカスが溜まっているかも確認しておけば楽だ。
同じく足まわりからの振動でいうならホイールも考えられる。熱や縁石に乗った衝撃でバランスウエイトが取れたり、ホイールそのものが歪んでしまいバランスが狂う可能性があるので注意しよう。もっとも、サーキット走行ではバランスウエイトが脱落しないよう、アルミテープなどを上から貼り付けて固定するのがマナーだ。
外れたバランスウエイトが弾かれて他車を直撃したり、踏むことでコントロールを失う危険性だって決してゼロじゃない。自分はモチロン他人を守るためにも必ず対策しておきたい。以上はタイヤが回転している限り発生する異音や振動だ。
ブレーキをかけたときの振動
続いては減速したときだけ、つまりブレーキに起因する例を紹介する。重量級やハイパワーなクルマでよく起きるのは、熱によってブレーキのローターが歪み、ペダルを踏むとジャダーが発生する現象。ダクトを引いて走行風を当てるとか適度にクーリングするとか、事前にできる対策はいくらでもあるが、歪んでしまったら手遅れだ。症状があまりに酷ければ走行を中止したほうがよく、ローター交換と併せて冷やすための手段も講じておこう。