最終戦ひとつ前の一戦は荒れたレースに!
アメリカでもっとも人気のある自動車レースといえば「NASCAR(ナスカー)」。その3大シリーズ、カップ・インフィニティ・トラックのひとつである「CAMPING WORLD TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」へ長年参戦を続けているのが、このナスカー界唯一の日本人チームオーナーである服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」だ。今シーズンも若手ドライバーのオースティン・ヒル選手を起用し、シリーズに挑戦を続けている。
全22戦が用意された今季のナスカー・トラックシリーズだが、第21戦「United Rentals 200」は、バージニア州にあるマーティンスビル・スピードウェイでの開催となった。このサーキットは、1周0.526マイル(846m)のショート・オーバル・コースで、路面のアウト側はアスファルト、ターンのイン側だけコンクリートという複合路面のため、セッティングが難しい。ターンのバンク角は12度とフラットで、シリーズ屈指のハードブレーキが強いられ、各ターンでは右フロントタイヤに大きな負荷のかかるトラックとなる。
全200周/3ステージのレースは10番手の好位置からスタート
このレースも、引き続き練習走行と予選を行わないコロナ禍でのレースフォーマットとなり、ヒル選手はシリーズランキングからの抽選により10番グリッドを獲得した。そして迎えた決勝レースは10月30日(土)、午後1時にグリーンフラッグが振られ200周(169.3km)の戦いがスタートした。このマーティンスビル戦も第1ステージが50周、第2ステージが50周の各チェッカー後、最終ステージ100周で争うレースとなる。
HREの「#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA」は5列目アウト側からスタートすると、無理な追い越しをせず、ポジションをキープしての走行を続けていく。46周目に後続のクラッシュでのイエローコーションが出されるとそのまま第1ステージは終了し、16号車は10番手でチェッカーを受けてステージブレイクに入る。ここでHREは16号車をピットに戻し、給油とタイヤ交換とセッティング変更を行い、ヒル選手は11番手から第2ステージを迎えることとなった。