アンダーステアに苦労するもセッティング変更で追い上げを開始
57周目のリスタートで、残り43周の第2ステージが始まった。ここから16号車はコーナー出口でのアンダーステアの症状に苦しむ展開となる。サイドバイサイドのバトルを続ける中で迎えた81周目、イエローコーションが出されると、ハンドリングの向上を狙ってHREチームはヒル選手にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換とともに大きなセッティング変更を施して、16号車を19番手でコースに戻す。
その後ハンドリングが向上したゼッケンNo.16を付けたタンドラは次々と前車を攻略し、15番手まで順位を上げて第2ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクでは上位陣がピットインするなか、ヒル選手はコースに留まり、順位も8番手にまでポジションを上げて最終ステージへ。
111周目に最終ステージのグリーンフラッグが振られると、上位フィニッシュを狙う争いは一層激しさを増し、リスタート直後にクラッシュが相次ぐ展開となっていく。130周目のクラッシュによるイエローコーションでHREチームはこの日最後になるピットインを指示し、16号車は給油とタイヤ交換に加え、さらなるセッティング変更を受けて22番手でコースに復帰、ここから追い上げる展開となった。
最終ステージは度重なるクラッシュを掻い潜りトップチェッカーを狙う!
レースは終盤を迎え、さらに接触が度重なる激しい展開となったが、そのなかでもヒル選手はポジションを次々と上げていき、6番手までポジションを挽回。
そしてゴール直前の197周目にクラッシュによるイエローコーションが出され、レースはイエロー明け残り2周で争われるオーバータイムへ突入する。3列目イン側5番手のポジションからリスタートを切った16号車は、スリーワイドでトップ争いを展開する3台の背後に付け、パッシングの隙をうかがう。残り1周のホワイトフラッグが振られるなか、最前列アウト側の2台が接触しクラッシュ。ヒル選手は間一髪でその接触を切り抜けて2番手に浮上。さらに前を伺って最終ターンでインに飛び込むもわずかに届かず、僅差での2位でチェッカーとなった。
これでトヨタはトラックシリーズ参戦以来12回目となるマニュファクチャータイトルの獲得を決めた。しかし、残念ながらレースは2位でフィニッシュしたものの第1、2ステージでの獲得ポイントが少なかったため、シリーズ最終戦で上位4チームにより争われる、チームタイトルのチャンピオンを賭けたプレイオフ・ファイナル4からは外れてしまった。
今シーズン最後の戦いの場となるトラックシリーズ第22戦は、11月5日、アリゾナ州フェニックス・レースウェイでの「Lucas Oil 150」に行われた。2019年からHREチームに合流したオースティン・ヒル選手にとって最後のタンドラ16号車での走りとなる。