最終戦ひとつ前の一戦は荒れたレースに!
アメリカでもっとも人気のある自動車レースといえば「NASCAR(ナスカー)」。その3大シリーズ、カップ・インフィニティ・トラックのひとつである「CAMPING WORLD TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」へ長年参戦を続けているのが、このナスカー界唯一の日本人チームオーナーである服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」だ。今シーズンも若手ドライバーのオースティン・ヒル選手を起用し、シリーズに挑戦を続けている。
全200周/3ステージのレースは10番手の好位置からスタート
このレースも、引き続き練習走行と予選を行わないコロナ禍でのレースフォーマットとなり、ヒル選手はシリーズランキングからの抽選により10番グリッドを獲得した。そして迎えた決勝レースは10月30日(土)、午後1時にグリーンフラッグが振られ200周(169.3km)の戦いがスタートした。このマーティンスビル戦も第1ステージが50周、第2ステージが50周の各チェッカー後、最終ステージ100周で争うレースとなる。
アンダーステアに苦労するもセッティング変更で追い上げを開始
57周目のリスタートで、残り43周の第2ステージが始まった。ここから16号車はコーナー出口でのアンダーステアの症状に苦しむ展開となる。サイドバイサイドのバトルを続ける中で迎えた81周目、イエローコーションが出されると、ハンドリングの向上を狙ってHREチームはヒル選手にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換とともに大きなセッティング変更を施して、16号車を19番手でコースに戻す。
その後ハンドリングが向上したゼッケンNo.16を付けたタンドラは次々と前車を攻略し、15番手まで順位を上げて第2ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクでは上位陣がピットインするなか、ヒル選手はコースに留まり、順位も8番手にまでポジションを上げて最終ステージへ。
最終ステージは度重なるクラッシュを掻い潜りトップチェッカーを狙う!
レースは終盤を迎え、さらに接触が度重なる激しい展開となったが、そのなかでもヒル選手はポジションを次々と上げていき、6番手までポジションを挽回。
これでトヨタはトラックシリーズ参戦以来12回目となるマニュファクチャータイトルの獲得を決めた。しかし、残念ながらレースは2位でフィニッシュしたものの第1、2ステージでの獲得ポイントが少なかったため、シリーズ最終戦で上位4チームにより争われる、チームタイトルのチャンピオンを賭けたプレイオフ・ファイナル4からは外れてしまった。
今シーズン最後の戦いの場となるトラックシリーズ第22戦は、11月5日、アリゾナ州フェニックス・レースウェイでの「Lucas Oil 150」に行われた。2019年からHREチームに合流したオースティン・ヒル選手にとって最後のタンドラ16号車での走りとなる。