3年間通算8勝を挙げたヒル選手はチームを離脱
アメリカで大人気のストックカーレース「NASCAR(ナスカー)」の3大シリーズのひとつである「CAMPING WORLD TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」。今季第22戦をアリゾナ州にあるフェニックス・レースウェイで開催し、今シーズンの全レースを終えることとなった。
このトラックシリーズへ、長年参戦している「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、ナスカー界で唯一となる日本人オーナー・チーム。このHREは過去にはシリーズタイトル獲得経験もあり、オーナーの服部茂章代表は、長年ナスカーやインディカーなどアメリカンモータースポーツに参戦を続けたあとに、チームを立ち上げている。
このHREから参戦しているドライバーのオースティン・ヒル選手は、トラックシリーズ参戦を今年限りで終了。さらに今シーズンをもってHREチームから離脱することも発表されており、3シーズン続いたHREとヒル選手のレギュラーとしての組み合わせは、この最終戦が最後となる。
第2ステージ開始前にトラブルが発覚
トラックシリーズ最終戦となる第22戦となる「Lucas Oil 150」は、フェニックスの1周1マイル(約1.6km)のトライ・オーバルコースを150周で争うこととなる。昨年から決勝レースのみを行うレースフォーマットを多く採用しているこのシリーズだったが、この最終戦では、きっちり練習走行セッションと予選セッションを設けられ、これらを1日で終わらせるワンデー開催となった。
朝8時からスタートした練習走行では、セッティングを試していたこともあって26秒96(13番手)のタイムでセッションを終了。午後2時すぎに行われた予選セッションでは、路面コンディションが変わってしまったこともあって27秒00とタイムは伸び悩んだものの、大きくタイムを落とすマシンも多く、11番グリッドに「# 16 United Rentals TOYOTA TUNDRA」をつけることとなった。
決勝レースはこの11月5日の夕方5時にスタートした。それぞれチェッカーが第1ステージ45周、第2ステージ45周、そして最終ステージが60周という3ステージ制のレースとなる。スタート直後に接触クラッシュが起きる波乱の序盤だったが、ヒル選手は一進一退の攻防を続け、12番手で第1ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクで給油とタイヤ交換してピットアウトさせるものの、直後にヒル選手からスロットルに異常があるとの無線が入り再度緊急ピットインしたため、同一周回最後尾の26番手から第2ステージのスタートを迎えることとなる。