焚き火は人類の英知! アナログに戻ってリフレッシュを
地球上で火を扱う生物は人類だけですが、およそ100万年も続けてきた焚き火が現代生活からはすっかり影を潜めてしまいました。半世紀前まではかまどや七輪を毎日使っていた日本人の台所もいまやガスレンジやIHにとって変わり、リアルな炭火を見るのは焼き鳥屋くらいでしょう。
キャンプといえば焚き火、焚き火をしにキャンプに行く、という人も少なくないほどです。キャンプが人気となった理由にはこの焚き火の存在が大きいのではないでしょうか。現代人が日常で扱わなくなった火を焚く行為には、暖かさと隣り合わせの危険な香りも伴っています。また回を重ねるほどコントロールが上達し、「火遊び」の奥深さを見せてくれます。 デジタルのようにはコントロールし難いリアルでアナログな焚き火であるがゆえ、ベテランキャンパーはそれなりに準備をしています。ここでは焚き火のための準備一式を列挙しておきます。これからキャンプで焚き火にトライしてみたい人、焚き火を上達したい人の参考になれば幸いです。
【薪】
落枝、流木、玉切り、大割、中割、小割、広葉樹、針葉樹など
薪を現地調達する場合は落枝・流木(立ち木の伐採はNG)、ホームセンターやキャンプ場で大割や中割が購入できる場合が多いです。現地調達は慣れない場所では難しいため、事前に入手し多めに搬入すると安心でしょう。生木は燃えないですが、乾燥した薪は煙も少なく着火性も良いです。
針葉樹は油分が多く、強火力ですが煤が多いです。対して広葉樹は、材質が硬く着火しにくいが煤も少なく長時間燃えます。小割をたくさん作っても短時間で燃え尽きるので程々に。焚き火鑑賞には大割をぽんと放り込むくらいがちょうどよいでしょう。
【薪割り】
のこぎり、斧、鉈、フルタングナイフ(バトニング用) 事前入手の薪でも焚き付けの小割は自分で作る必要があります。ナイフ一本では難しく、狩猟用の剣鉈でも薪割りまではできません。小さくてもフォールディングノコは用意したいところ。丸太を割るには斧が有効で、そこから小割を作るには鉈もしくは丈夫なナイフでバトニングします。
【着火】
小割、焚付け、フェザースティック、使用済み割り箸、着火剤、ファイアースターター、ライター、マッチ 薪への着火に必要なのは温度と酸素。小割した薪(使用済みの割り箸でもOK)をナイフで毛羽立たせるフェザースティックは、着火性を高めるためのもの。
キャンプ動画などで見る、マグネシウムのファイアースターターで着火するのは酔狂(趣味)。マッチ・ライターでの着火が確実で、ガスバーナーや着火剤を使ってもぜんぜんOK。
【焚き火のコントロール】
火吹き棒、うちわ、火箸、トング、皮手袋、炭 薪は着火すると煙、煤が出ます。クッカーも肉もなにもかも煤だらけとなってしまい、また炎での調理は焦げやすいため、火力が安定する熾火で調理すると良いでしょう。長時間安定した熾火を作るには炭を併用すること。木炭やオガ炭、チャコールブリックでもOKです。 火力が落ちたら薪や炭を追加しましょう。火吹き棒、うちわで酸素を送ると温度が上がり火勢を復活させることができます。薪の位置は火箸で調整しますが、かき回しすぎると温度と酸素のバランスが崩れて煙ったりします。ベストバランスを保つポイントを見つける火遊びが楽しい。いじりすぎないのがコツです。