試乗その2:フィット e:HEV Modulo X &専用アルミホイール
リヤシートに乗っていても違いがわかる
大黒PAに入り、今度は本来のModulo X専用のホイールを装着したフィット e:HEV Modulo Xに乗り換える。すると土屋さんは開口一番……。
土屋:これは、後ろに乗っている人間の方がわかるだろ?
──はい、わかりました。全然違いますね、キツい段差ほど揺れの収まりがいいのを感じますね。バッシっと一発で収まる。
土屋:そう。後席だとすぐわかる。──先川さん、いまベイブリッジの直線を通過しましたが、直進性などはいかがでしたか? 今日は強風注意報が出ていますが……。
先川:安定感はリュクスのホイールを履かせたModulo Xより上がった気がしますね。でも、先ほどの車両も結構良かったので、大きくは変わらないんですが、極端に言えばステアリングを握っていなくても大丈夫そうな安定感があります。ビッっと真っすぐ走っている感じがします。直進安定性が高まったのですかね。
──ふたたび横羽線に戻りましたが、コーナリングはどう違いますか?
先川:すごく安定していて曲がりやすいです。それに、ステアリングを切る必要が少し減ったような気がします。ただ、段差での突き上げは、先程の車両より強く感じますが、その収まり方は違いますね。
──やや突き上げ感を感じさせるものの、挙動の収まりは良い、という感じですか?
先川:はい、そうですね。
土屋:後ろはどうなの?
──後席は乗り心地もこちらの方が良い印象ですね。それに、クルマ全体の動きが軽くなったように感じます。
コーナリングする際に舵角が減った?
先川:挙動の面では全体的に、こちらの方が扱いやすいです。
土屋:段差は、こちらの方がズッシリ来るよね。先川:そうですよね! ちょっと安心しました(苦笑)。こちらの方が少し滑らかさが減ったというか……突き上げの種類が違う感じがします。でも、ステアリングを全然切らなくて済みますね。意のままに曲がって行ける感じがします。
──そうですね、後ろから見ても、舵角は少なくなったと思います。
先川:やはりそうですよね! 少し切っただけで曲がってくれます。
──土屋さん、助手席から先川さんの運転をご覧になられていかがですか?
土屋:開発者の俺に聞く(苦笑)? ベース車のホイールでもいいんだよ? ファミリーカーとしては。高速道路の継ぎ目でのゴツゴツ感でもそうだけど。ただ、「質感の高いRS」を目指しているから、よりスポーティにするには、こういうホイールの剛性が必要なんだよ、Modulo Xとしては。だから問題は、ステアリング操作にホイールが忠実に反応してくれるかどうかだよね。ファミリーカーだと、ちょっとダルい方がいいわけよ。そこはやっぱり違うよね。先川:ということは、合っていたんですね?
土屋:そう、合っているよ。
先川:良かったあ……。土屋さんを横に乗せてコメントするのは、すごく怖いです。「新手のイジメかな?」と思いました(苦笑)。生麦JCTの右コーナーを同じような速度で曲がっても、先ほどの車両より安定しています。
土屋:この生麦の右コーナーはすごくわかりやすいよ。さっきはステアリングを2回切っているからね。今は1回で済んでいる。これは、車体の剛性とホイールの剛性、周波数が合っているかどうかだよね。合っていないと、ホイールが遅れてヨレるから、旋回中に修正舵が必要になるんだよ。あとは、そうだな、ワインディングとか、S字の切り替えしを走ってみたらもっと良さがわかると思うよ!
まとめ:意のままに操れて運転が楽しいフィット e:HEV Modulo X
その後、より速度域の高い大黒PA〜湾岸線幸浦IC間を往復して2台を乗り比べ、試乗を終えたふたり。果たして先川さんの評価は……?先川:速度域が上がると、それまで感じていたことが、より明確にわかりました。リュクスのホイールを装着したModulo Xも、最初に乗ったときは「すごくいい!」と思ったのですが、Modulo Xに乗ってしまうと、私はスポーティな走りの方が好きなので、こちらの方がより安定していて、舵角も少なくて済むなど、乗りやすく感じました。 コーナリングの途中で修正舵も必要ないですし、舵角が少ないということはもっと切れるということなので、そういう意味でも安心感が違いますよね。意のままに操れて、余裕を持って操作できて、運転そのものを楽しむことができます。「ああ、ホイールでこんなに走りは変わるんだ」というのが、一番の感想です。