続いてランタンをガスバーナー化
では、ランタンをバーナーに改造しましょう。まずはバラバラに分解。丸く焼き上げたマントルも使っているうちにしぼんでしまっています。開閉つまみの上にある混合管にピッタリとハマる真ちゅうのパイプを用意。
バーナーの炎の出る部分は、空になったホルツ・ラストコートのアルミ缶を利用しました。手ごろな大きさです。アルミ缶はカットして先端と底の部分だけを使います。先端部分に先ほどの真ちゅうのパイプが入るようにドリルで加工。アルミ缶の底の円周上にφ1mmの穴を開けます。主役パーツなので、穴を均等に配置して外見重視の仕上げとしました。
アルミ缶の先端部を底の部分の内側に圧入して合体させます。塗料剥離剤でアルミ缶の塗膜を剥がしたら黒の耐熱塗料で塗装します。真ちゅうのパイプで混合管とバーナーをつないだら、点火装置をセット。
太さ3mmの針金で折りたたみ式の脚を作りました。火力が少し弱そうなので空き缶を使って、バーナーに風防を付けています。
試運転するも、ちょっと火力が弱い?
4本脚の固定も兼ねた井形のゴトクを載せて試運転です。お湯を沸かして完成祝いのコーヒーでも飲もうと思ったのに、予想以上に火力が弱くて時間がかかりすぎます。工作失敗なのか? と不安がよぎりましたが、調べてみたら原因はガスを吹き出すノズルの穴でした。
ランタン用のノズルなので、それ相応の極小の穴が開けられていて、開閉つまみを最大火力側に回してもガスの噴射量は出口で制限されてしまいます。ノズルに番号が打ってあるので、取り替えることで火力の調整ができそうです。バイクのキャブレターのジェット類の変更と同じ理屈ですね。
このノズルのままでもバーナーとして使用できるように改良してみましょう。ノズルの穴にぴったりサイズのワイヤーを用意して穴に通したら、荒目のコンパウンドを塗り、ノズルを上下にスライドさせながら穴を磨き広げます。気体の流通路なので、ワイヤーとの感触が少し緩くなったなと感じるくらいの拡張で十分です。分解ついでに開閉つまみ先端のOリングやニードルの点検をしてから組み立てました。結果は上々、写真のようにパワフルな火力のバーナーに進化させることができました。
完成! 今やなくてはならない必携品に
コッヘルのなかに楽々収納できるコンパクトさです。作業時間がかかったので、完成祝いはコーヒーからお昼の外ラーメンに変更しました。Peak1ストーブほどではないけど、必要十分の火力があって普通に調理できました。
外で作るインスタントラーメンって、具なしでもなぜか美味しいですね。ガスバーナーにはその後さらに改良を加えています。青いパンチカーペット生地で箱型のケースを作り、ひとまとめに収納できるようにしました。
ケースに収まる大きさの厚ベニヤを土台として、その上にバーナーとカセットボンベなどを構築する仕組みに変更しています。こうすることで安定がよくなり、調理中でもコンロ全体の位置変更が可能になります。持ちやすくするためにベニヤ板の左右には小さなアルミのグリップを付け、迷彩色にペイントを施しました。バーナーの炎の出る穴も中心部に追加して火力を増強しています。
最近ではこのガスバーナーがメインで活躍して、たまに気が向いたらPeak1を連れ出すということが多くなっています。もうすっかり主役です。迷彩パターンと青いパンチカーペットを見ると、「マー坊にキャンプキャビン」を自作したころに、おそろいで仕上げたことが思い出されます。