高性能化はもちろんランニングコストも抑えられるメリットがある
それでは具体的にブレーキシステムを大容量化するメリットを紹介していこう。
メリット1:高熱に対する余裕が生まれる
パッドとローターに摩擦させることで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換しているブレーキ。スポーツ走行時では高熱によりパッドが炭化したり、ブレーキラインにエアを噛み込んでしまうことがある。そこでキャリパーやローターを大きくすれば、高熱に対する余裕が生まれる。安定したブレーキが可能になるのはそのためだ。
メリット2:ブレーキの剛性感が高くなる
片押しタイプの純正に対し、対向キャリパーはパッドを挟み込むように両側から押し付けるタイプ。均一にローターに押し当てることができるためパッドが片減りしにくいし、ブレーキもコントロールしやすくなる。またキャリパーそのものの剛性が高いため、カッチリとしたペダルタッチに生まれ変わるのも大きなメリットと言える。
メリット3:足元のドレスアップに効果絶大
ホイールをインチアップすると、どうしても純正キャリパーの小ささが際立ってしまう。ビッグキャリパー化によりこれを解消できるのもうれしいポイントで、走りのムードが一気に高まる。最近ではサイズが大きいだけでなく、カラフルなキャリパーカラーを選べるモデルも増えてきた。そのドレスアップ効果は決して侮れない。
メリット4:ブレーキパッドの選択肢が広がる
ローター径を拡大すると制動力が高まる。その理由はローターの外周をキャリパーが掴むため、少ない力で大きな摩擦力が得られるから。つまりパッドの摩擦力に依存せずに済むようになる。サーキット向けのパッドはダストや異音も大きい傾向にあるが、ビッグキャリパーならパッドの効きを落としても対応できることもあるのだ。
メリット5:ランニングコストが抑えられる
純正ブレーキでサーキット走行をしていると、パッドやローターがすぐに摩耗してしまうことがある。交換サイクルが早まるためランニングコストが高く付きがちだ。対してビッグキャリパーは初期投資こそ必要になるが、パッドやローターが長く使えるため、結果として安く済むケースも。ガンガン走りたいなら検討する価値は十分にある。