「車中泊」も可能な「避難時仕様」なので活用法は幅広い
そして「N-VAN車いす移動車」の最大のトピックとなるのが、キャンピングカーをヒントにして「避難時仕様」としている点だ。
上記のように車いすの人が単独でクルマに乗り降りして移動が可能となるだけでなく、フロアを平らにしてマットを敷きやすくし、車内で寝ることもできるようになっているのである。さらに簡易なシンクを置いて、車内で手洗いなどもできるし、テントと簡易トイレも搭載している。
これは、災害などで一時的に家から避難するとき、体育館や公民館といった避難所の中では車いすの人にとって不便なことやプライバシーの確保など問題が多いという現状から、キャンピングカーをヒントにして生まれたアイデアだという。
車内で少しの間なら生活ができるようにすることで、車いすユーザーが「自分でできることは自分で」独立して行い、自身も周囲も、負荷を最小限に抑えてストレス少なく過ごすことができるというわけだ。
さらに、「車中泊」OKということは、家族や仲間とキャンプなどアウトドア遊びに出かけるのも、これまでよりずっと気軽になりそうだ。
テント泊には物理的なネックが多いものだが、この「N-VAN車いす移動車」なら現地に自分でドライブして行って、寝るときや着替えるときなど、生活活動の大半を車内で完結することができそうだ。
現在のところ「N-VAN車いす移動車」はコンセプトカーであって、小型電動リフト以外、パッケージとしての販売計画はないが、個別のカスタムは相談できるとのこと。反響が大きければ、将来的に市販を検討していきたいとのことだ。