リヤタイヤのグリップを落とせば非力な軽でもドリフト可能
ただFRの軽トラでも、ドリフト仕様にするには多少の小細工が必要。それでもスポーツカーと比べたら初期費用はそれほどかからないのも魅力。
・足まわりを車高調に交換してしっかりと固める
・左右均等に駆動力を伝えるためリヤのデフを溶接加工などでロックする(社外のLSDも出まわっているが高価)
・リヤタイヤをスタッドレスに交換する
たったこれだけでOK。コストパフォーマンスの高さに驚かされる。しかしパワーはスポーツカーよりもかなり非力なので、雨の日など路面がウエットの方がドリフトしやすい。スタッドレスタイヤに交換するのも、雪道には強いが濡れた路面に対して滑りやすいという特性を生かしたもの。ドリフトによる挙動の変化を体感しやすく、ビギナーでも楽しめる。 そして軽トラは実用車。ドリフト遊びだけでなく、普段は仕事用として使えるのも魅力。某人気エアロメーカーのKさんも、ドリフト仕様にモディファイしたDA63Tキャリイでサーキット走行にハマッているが、「いざというときはタイヤや部品などを運ぶのに便利です。クルマ屋さんも仕事用に軽トラを買ったのがきっかけで、ドリフトを始める方が多いです」。これも荷台がある軽トラならではと言える。
サーキットを借りて、軽トラだけの走行会を開くのも面白い!
Kさんはクルマ屋さんや趣味仲間などに声をかけ、「雨活」という軽トラだけのドリフトグループを結成。ドリフトしやすい雨の日にドリフト活動をしている、と名前の由来もわかりやすい。大半のメンバーはもともとドリフト初心者で、経験を積みながら腕を磨いている。
走る場所はもちろんクローズド。参加できるメンバーを募り、サーキットを予約して限られた時間のなかで走りまくっている。サーキットを借りるのはお金がかかるというイメージがあるが、平日であれば料金は割安となり、使用料金を参加者の数で割ると意外とひとりあたりの負担額はそこまで多くはない。
「雨活」のメンバーがよく走るサーキットは、奈良県の名阪スポーツランド。走るときは当然グローブとヘルメットを着用する。走り終えたあとは竹ぼうきを使って土を掃くなど、必ずコースの清掃も行っている。遊びとは言っても、つねに紳士な気持ちで挑んでいるのだ。 雨の日は路面が濡れているから簡単にケツを滑らせられるのだが、デメリットもある。もともと大排気量ではないエンジンだから、車種によってはエアコンを付けてしまうとパワーダウンしてしまう。だから時期によっては窓ガラスが曇り、全身汗だくになりながら走っているとのこと。ドリフトはある意味ハードなスポーツかもしれない(?)。 雨活の今後の活動としては、ドリフトを得意とする全国各地の軽トラオーナーを集めてサーキット走行会を開催したいとのこと。手軽に楽しめてコストパフォーマンスも高い軽トラドリフト、あなたもぜひ始めてみては?