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もはや反則レベルの「溝なしタイヤ」! 今話題の「フージャータイヤ」がサーキット最強の理由とは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web

性能を引き出すために「キャンバー角3度以上」をメーカーが推奨

 トラックフィールドに用意されているのは「スポーツカーDOTラジアルA7&R7」。トレッド表面には小さな溝がいくつかあるだけで、見た目はほぼスリックタイヤという印象だが、アメリカのDOT(規格米国交通運輸局)の認定を受けているので(溝がほとんどないので雨の日の事故覚悟なら)公道走行も可能。つまり、日本でいうSタイヤ(セミスリックタイヤ)の枠に属するのだ。

 ふたつのタイヤの違いはコンパウンドで、A7がジムカーナやタイムアタック用、R7がスプリントレース用と棲み分けされている。また、仕様書には「キャンバー3度以上付けること」と指示があり、このような部分からもモータースポーツユースに特化したタイヤであることがうかがい知れる。

R35GT-Rに装着されたフージャータイヤのトレッド表面

 さらに2019年からは走り始めから熱が入りやすい(すぐに高いグリップ力が得られる)、日本専用のスーパーコンパウンドを採用したH7も投入。タイムアタックシーンで圧倒的な装着率を誇るヨコハマのアドバンA050から、さらにシェアを奪おうと矢継ぎ早にタマを投入している。

 最近では4輪のレースだけでなく、2輪のオフロード競技であるモトクロッサーのマーケットにも参入している。アメリカのレースでは各クラスを制覇するなど、日本を含めて今なお新たなモータースポーツフィールドへチャレンジし続けるフージャー。一般的にはかなりマイナーな存在であるが、極限の領域で必要不可欠なタイヤとして今後も愛され続けられることは間違いない。世界にはこのような特殊なタイヤメーカーがあることを覚えていてほしい。

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  • R35GT-Rに装着されたフージャータイヤのトレッド表面
  • フージャーを装着したR35GT-R
  • フージャーのロゴ
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