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熱きナニワのホットハッチ!「シャレード・デ・トマソ」がヤンチャ過ぎた

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: DAIHATSU/JAMA/原田 了

ホモロゲモデルやミッドエンジン車も

 シャレード・デ・トマソ・ターボが登場する2カ月前には、シャレード926ターボが登場しています。モータースポーツに参戦した場合、1L(正確には993cc)にターボを装着するとターボ係数(1.4)を乗じて1390ccと算定され、1301cc~1600ccクラスに編入されることになるのを避けるために排気量を926cc(73.0mmのストロークはそのまま、ボアを76.0mmから73.4mmにサイズダウン)に引き下げ。これにより、ターボ係数を乗じても排気量は1296ccに留まり1300cc以下のクラスで参戦できるようになりました。グループBのホモロゲーション(車両公認)を受けるために必要な200台の限定生産でしたが、発売とほぼ同時に完売となりました。

シャレード926ターボ 1985年の東京モーターショーでは、さらに過激なシャレード・デ・トマソが登場しています。それはシャレード926ターボが搭載していた、926cc直列3気筒ターボのCE型をツインカム12バルブ化したスペシャルユニットをミッドシップマウントしたもので、WRCで活躍したルノー5ターボと同様のコンセプトでした。最高出力は公称120psでしたが、カタログデータでは最高出力76psとされていたシングルカム2バルブの926ターボが、じつはダイナモ上では120psを確認していたとのエピソードもあるくらいで、160psを謳うルノー5ターボとはいい勝負だったのでは、との観測もありました。しかし残念ながら市販には至りませんでした。1985年東京モーターショー出展のシャレード・デ・トマソ

4代目で市販が復活し「デ・トマソ・ターボ」

 1987年の1月に2度目のフルモデルチェンジを受けて、シャレードは3代目に移行しています。当初は初代から踏襲し熟成を続けてきた1Lの直列3気筒エンジンを搭載していましたが、ボディはふたまわりも大きくなると同時に軽いモデル(仕様)でも740kg程度となり、先代モデルに比べて100kg近くも重くなってしまっていました。

 さらに1年後には特徴的だった1Lの直列3気筒エンジンに加えて、1.3Lの直列4気筒エンジン搭載モデルが追加されるなど、初代モデルから継承してきたクリーンなリッターカー、とのコンセプトは色褪せてしまいました。同年の東京モーターショーにデ・トマソ仕様が参考出品されますが、やはり市販は叶いませんでした。

 しかし、デ・トマソに懸けるダイハツの熱意が覚めてしまったわけではなく、1993年の1月に誕生した4代目のG200系シャレードに、半年余り経ってからシャレード・デ・トマソが追加設定されたのです。4代目デ・トマソ・ターボ G100系よりもさらにボディが大型化された結果、G200系では1Lモデルがなくなり、1.3Lと1.5Lの直列4気筒エンジンが搭載されていましたが、シャレード・デ・トマソではさらに1.6Lにまで排気量を拡大したHDエンジンが搭載されることになりました。より洗練されたベースモデルに、控えめなエアロを装着。さらにナルディ製のステアリングホイールやレカロ製のフロントシートなど、魅力的なパーツが組み込まれた2代目デ・トマソは着実な売れ行きを見せることになりました。

 さらに翌年6月には、初代のシャレード・デ・トマソでも追加設定されていたホワイト&淡いシルバーのツートンでコーディネイトしたビアンカが200台限定で販売されています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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