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「セリカ・コンバーチブル」に「サバンナRX−7コンバーチブル」! 一粒で二度美味しい「国産オープンカー」5選

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

走らせるだけで非日常感覚が味わえるオープンカー

 そのクルマの名誉と夢を壊さないためにもここではあえて車名は秘すが、数年前、とある国産2シーターオープンに真夏の都内で半日ほど乗っていたらプチ熱中症を自覚したことがあった(もちろんトップは閉めエアコン全開だった)。

 またその同じオープンカーで地元のスーパーに買い物に行き、荷物がどこにも載らないことを買い物が済んでから思い出し、助手席の家内の足元にはレジ袋、膝の上に焼きたてのピザの入った箱を持ってもらい帰宅しようとしたところ、家内から「どういうつもり?」と強く抗議を受けた。一般論的にも、オープンカーは紫外線、ホコリ、風、騒音をダイレクトに受けるうえ、人に見られるし、暑いし寒いから、多くの女性には評判がよろしくない。

 男子なら、防寒をしてヒーターはハイレベルにセットしながら冬の晴れた夜など星空の下、ヒンヤリとした風を頬に感じながら走らせるのはオープンカーの真骨頂だと思う。だが、ほとんどの女子にはそんな話は通用するはずもない。

 けれど、やはりオープンカーは気持ちいい。何といっても、走らせるだけで非日常感覚が味わえるからだ。もちろんずっとオープンで走ろうというつもりでなくても、トップを上げた状態で乗っても雨の日などアンニュイでそれだけでドラマチックだが、クローズドボディの普通のクルマとは違う、気分の解放装置としての役割がオープンカーの魅力、なのだと思う。

 さてすっかりイントロが長くなってしまったが、今回は少し懐かしい国産オープンを切り口に、思い浮かぶままに振り返ってみることにした。

日産フェアレディZコンバーチブル/ロードスター

 まずスポーツモデルでは、やはり日産フェアレディZが挙がる。Z32(1992年8月)、Z33(2003年10月)、Z34(2009年10月)と、思えばもともとオープンカーをルーツとするだけに多くの世代でオープンを用意してきた。

 最初のZ32では2シーターをベースにロールバー付きのコンバーチブルが設定され、ソフトトップの開閉は手動式ながら、Tバールーフの設定がありながらも用意された贅沢さだった。

 Z33(とZ34)ではロードスターに呼称が変わり、ソフトトップは電動開閉式が採用されている。搭載エンジンはZ32がVG30DE型、Z33がVQ35DE型、Z34がVQ37VHR型など。

トヨタ・セリカコンバーチブル

 もう1台、トヨタ・セリカでも3世代にわたってコンバーチブルを設定。1987年10月の“流面形”の世代が最初で、そこから2代目(1990年8月)、3代目(1994年9月)と続いた。セリカ・コンバーチブルは3世代ともアメリカASC社が架装を担当している。

 いずれも2ドアノッチバッククーペ(日本仕様のコロナ・クーペ、カレンに相当)をベースに仕立てられていた。ちなみに初代には、ハッチバック同様、2Lのツインカムターボを搭載するフルタイム4WDのGT-FOURが設定された。

マツダ・サバンナRX−7カブリオレ

 一方でマツダ・サバンナRX−7にもカブリオレがあったじゃないか! の声が聞こえてきそうだが、マツダのロータリーエンジン搭載車で唯一のオープンモデルだったこのクルマも、かなり凝った造りになっていた。

 具体的にはトップをSMC(シート・モールディング・コンパウンド)製のルーフパネル式とした(ただし脱着は手で行う)。トップ後半だけ起こしたルーフレス・スタイルも可能としたほか、熱線入りのガラス製リヤウインドウ、オープン時の走行風を調整するエアロボード、ヘッドレストスピーカー、∞タイプの撥水性本革バケットシート、本革ドアトリムの採用などが注目のポイントだった。搭載したのはインタークーラー付きターボの13Bで、5速マニュアルと4速ATが設定された。

日産シルビアコンバーチブル

 そのほか、日産シルビアにもコンバーチブルが用意された。最初の設定はS13のデビュー(1988年7月、S13自身は5月の発売だった)に合わせて登場したもので、当初は月販30台の受注生産車。電動開閉式のソフトトップを備えるほか、ボディ各部に補強を施しオープン化に対処していた。 ベースはクーペのK’s相当で、1.8Lのツインカム16バルブインタークーラー・ターボを搭載した。もう1世代、S15にもヴァリエッタの名が与えられた電動開閉式ハードトップを備えたモデルが設定されている。なお、いずれのモデルも日産の特装車の企画・制作を受け持つオーテックが手がけたクルマだった。

三菱エクリプススパイダー

 ほかの日本車では、三菱エクリプスに設定されたスパイダーは、2世代に渡り用意された。このクルマの場合は、当時のMMMAT(米国三菱自動車製造株式会社)が製造、日本へ輸入・販売されるといういわば輸入車だ。 日本へは初代(エクリプスでは2代目)のときに1996年、1997年の2度に渡り、合計約750台が輸入された。3代目は2000年に北米市場に登場後、2004年に日本への輸入を開始。3L V6エンジンを搭載し、Infinity社製7スピーカー&210Wのハイパワーアンプのオーディオシステムを装備するなど、ラグジュアリーなクルマとして個性を放った。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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