全日本ラリー選手権でドライバーチャンピオンを生む
また、ZZ-Rはその優れた動力性能を武器に、当時、無改造規定(エンジンノーマル)とした全日本ラリー選手権に参入。TE71カローラ/スプリンター勢が王国を築く時代だったが、1980年シーズン途中から単独参戦を開始した金子繁夫のジェミニZZは、その圧倒的なスピードで驚異の5連勝を記録してシリーズチャンピオンを奪取。 ジェミニの潜在能力の高さに注目したアドバン・ラリーチームは、翌1981年の参戦車両にジェミニZZを選択。その狙いどおりに、山内伸弥が同年のチャンピオンを獲得する。ジェミニZZは、2年連続で全日本ラリー選手権のタイトルホルダーに輝く底力を示していた。
なお、ZZ-Rシリーズには、生産車の状態でエンジン吸排気ポートの研磨やフライホイールの軽量化を施した(ともに全日本ラリー選手権では事後の改造禁止項目)、ファインチューンエンジン搭載のZZ-Rラリースペシャルを限定仕様車として販売。ランサーEXターボ(A175)が登場するまで、ラリーのベース車両として主役の座を務めていたのだ。