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BC戦争勃発で「強敵ブルーバード」を撃破! 今こそ傑作セダン「コロナ」の歴史を振り返る

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: トヨタ/Auto Messe Web

トヨタを支えた傑作ミドルセダンの歴史を振り返る

 かつてトヨタが生産していたミディアムサイズセダン、コロナ。ふと思えばどうなったのだろうか? まず結論からいうと、後継車だったプレミオが2021年3月をもって消滅。これでカローラを除き、国内市場では中型セダンがすべてなくなってしまったことになる。同様に日産でブルーバードの系譜を受け継いでいたシルフィも無くなったばかり。セダン不振が叫ばれる昨今、仕方がないとはいえ、伝統のモデルたちが続々と姿を消してしまったのはじつに寂しい。

初代:ダルマコロナの愛称で親しまれる

 鎮魂も兼ねて、コロナの歴史を振り返ってみると、華やかな経歴に彩られた時代もあるなど、名車であったことがわかる。初代コロナが登場したのは1957年のことで、正式にはトヨペット・コロナだった。モータリゼーション前夜ということもあって、メカニズムではモノコックボディ以外は目新しいものがなかったし、デザインもダルマコロナという愛称が付けられたが、実際は垢抜けなかった。トヨペットコロナ(ST10) そもそもタクシー向けにクラウンの下のクラスを埋めるべく、タクシー業界の意向、そしてトヨタ自販の指示もあり、急遽開発されたモデルだけに仕方がない面もあった。時代はダットサンとのし烈な競争が繰り広げられていて、小型タクシーではトヨタは該当車種がなかったというのが背景にある。

2代目:BC戦争が勃発

 1960年に登場した2代目は打倒ダットサンを掲げ、デザインも伸びやかでクリーンなものへと進化した。ただし、パーソナルカー、つまり自家用車としては好評だったが、懸案のタクシー向けとしては当初耐久性不足が指摘されるなど、苦戦を強いられた。コロナ(PT20)

 その後、エンジンの排気量アップや各部の補強などによるてこ入れによってなんとか挽回できたが、BC戦争とまで言われた日産のブルーバードとの対決という点では、勝るまでには至らなかった。コロナ(PT20)

3代目:ついにブルーバードを打ち負かす

 そしてモータリゼーション真っ盛りの1964年に登場したのが3代目で、ここでコロナの地位は確立したと言っていいだろう。アローラインと呼ばれる逆スラントのフロントマスクは新鮮だったし、足まわりを中心にして新たに設計された部分も多かった。コロナ1500デラックス(RT40-D)

 そして開通したばかりの阪神高速道路を使って、10万km連続高速テストを公開で行った。58日間かけて10万kmを走行し、信頼性をアピール。これが功を奏してか、ついにブルーバードを販売台数で追い抜き、BC戦争に決着をつけることができた。コロナ1500デラックス(RT40-D)

 また3代目で忘れてはならないのは、トヨタ1600GTの存在だ。コロナをベースにしているため、見た目は同じに見えるが、実際は別物。トヨタ1600GT

 車名からもわかるように、トヨタ2000GTの弟分としてリリースされたもの。9R型と呼ばれる直4は2000GTのM型から2気筒を減らして作られていて、5速MTやキャブ、そしてシートも2000GTと同じものを使用している。レースでは、格上となるスカイラインGT-B、そしてハコスカとも互角に戦うなど、多くの伝説を残した。

4代目:マーク2が別モデルになる

 4代目以降となると、5ナンバーサイズのミディアムセダンという立ち位置はそのままにして、実直なセダンとして進化。コロナ1600デラックス

 3代目の末期に上級となるコロナマークIIが枝分かれする形で登場したこともあり、実用性を重視したセダンへとシフトしていくことになる。

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