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「チェリーバン」「ブルーバードUバン」「スカイラインバン」! 異様に多かった日産の「商用バン」を振り返る

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

普通の実用車だが放っておけない魅力があった

 とはいえ、筆者のごく個人的な体験、記憶を元に語らせていただけば、小・中学校の通学で毎日通った街の風景のなかで見た当時のバンの姿は、それぞれにどれも個性的で、当時の子どもにとってもそれは印象深いものだったのだろう。昔のクルマ好きの子どもがみんなそうだったように、街で見かけたクルマの車名は言い当てられたし、ノートにその“絵”を描けと言われれば、フロントグリルのパターンやテールランプのデザインなどディテールまで、正確に再現しながら描けたりしたものだ。日産にあったバンモデル

 加えて、その対象がバンとなれば、ベースのセダンやクーペとはまたひと味違うスタイリングは十分に興味の対象だった。「ふーん、ブルーバードは510セダンの窓を真っすぐに伸ばしたデザインで、スカイラインバンは窓がなくて、視界は悪そうだけど、ある種の機能美を表現したカタチなんだぁ」と、やがて自分がモータージャーナリストになることを思っていたかどうかはわからないが、ともかく、そんな風に、道端に停められたバンの1台1台の雰囲気の違いを肌で感じながら、眺めて楽しんでいた。日産にあったバンモデル

 そういえば同じ時期、ドアやボンネットが開くミニチュアカーにも興味を持ち始めた。ただし国産車でバンやワゴンのリヤゲートが開くミニチュアカーはほとんどなく、そのようななかで親に買ってもらったのが、イギリス・コーギー社製のシトロエンDSのサファリだった。

 実物は今でも手元にあるが、何と上下2分割でリヤゲートが開く実車の仕組みが再現されていて、ボディ下のギヤを指先で動かすと、後席が折り畳まれるギミックまで付いていた。後年、筆者はワゴン専門の「アクティブビークル」誌でワゴンの取材をタップリとさせていただくことになったが、そのことを、このシトロエンDSサファリのミニチュアカーが暗示していたのかも……と思ったりして。

 話がすっかり逸れてしまったが、バンは言ってみれば商用車であり、普通の実用車だ。だが、昭和のころのバンには、どれも実用車にだけしておくにはもったいない個性があり、そこに放っておけない魅力があったのだと思う。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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