快適性に磨きをかける脚と乾いた音質のエキゾースト
箱根のワインディングロードで、KWとアクラポヴィッチというふたつのメジャーブランドからのアイテムを得たG63の走りを試す。
まず印象的だったのは、やはりKW製サスペンションキットの効果。こちらはスイッチ操作で3段階のダンパーセッティングが選択できるが、意外にも、もっとも魅力的に感じたのは、ソフト方向のセッティングだった。これだけ重量のあるボディがロールしていながら、コーナリングでは怖さを伴うロール感をドライバーに伝えることがない。4輪の接地感にともかく優れたフットワークなのだ。フロントで0〜30mm、リヤで5〜30mmという車高調整の効果が大きく表れた結果だ。
一方のアクラポヴィッチのエキゾーストシステムが奏でるサウンドだが、じつに魅力的なものに変化していると感じた。モーターサイクルの世界を制し、2008年から4輪のエキゾーストシステムの開発と生産に進出した同社は、メジャーなスポーツカーメーカーから純正のアイテムとして指名されるほどの技術、とりわけチタンという軽量素材の扱いに長けたメーカーだ。
実際に装着されているのは「エボリューションライン」と呼ばれるアイテムで、これはセンターパイプからエンド部分までをカバーする構造。サウンドはノーマルのG63が、おそらくはメイン・マーケットとなるアメリカ市場の好みに合わせた、ドロドロとした音質であるのに対して、軽量なチタン、そしてその薄さによってより乾いた印象の、スポーツモデルらしいサウンドを演出している。
ちなみにこのキットも、センターコンソール上のスイッチで音量の調節が可能。とりわけ小さなボリュームを選択したときの静かさには驚かされた。
この橋本コーポレーションコーデのカスタムG63は、おそらくはGクラス・チューニングで、もっとも高価な組み合わせだろう。ただ、一流のアイテムを使うことは、結果的に最大の効果を生み出すことになるということを証明している。