意外と派生車種が多かった日産2代目マーチ
「マッチのマーチ」で知られた初代から一転して、丸みを帯びた親しみやすいエクステリアデザインとなった2代目マーチ。モデルライフは約10年と長期に渡り販売されていたモデルですが、ロングセラーモデルだけに多くの派生車種が誕生しました。今回はそんな2代目マーチの派生車種をピックアップして振り返っていきたいと思います。
そもそもマーチとは
2代目マーチは1992年に登場しました。先代モデルから全長を40mm小さくしながらも、室内長を60mm拡大し、スペースの効率化を実現したパッケージで、運転のしやすさと利便性に優れたモデルでした。また、ヨーロッパ市場を意識したモデルでもあり、走りも犠牲にしていなかったのも特徴的。
マーチカブリオレ
まずは、日産自動車から生み出された派生モデルから紹介。1997年に登場したマーチカブリオレは、マーチをベースにしたオープンモデルです。
クローズドボディの代わりに装備されたソフトトップは、なんと電動! 全面UVカットガラスやエアコン、ABSなどが標準装備となっていて、コンパクトカーながら贅沢でオシャレ。そんな粋を感じるモデルでした。
マーチBOX
1999年のマイナーチェンジで追加されたのが、ワゴンボディのマーチBOX。荷室長を240mm、全高を25mm拡大しより高い積載性を実現。
こう聞くと「マーチをベースにした商用モデル」と思いがちかもしれませんが、テラコッタオレンジやオパールブルーなど、ファッショナブルな専用ボディカラーが用意されていました。マーチの運転のしやすさはそのままに、もっと荷物を積みたい主婦層などをターゲットにしたであろう印象を受けるモデルでした。
オーテックシリーズ
そして日産車をベースに特装車やカスタマイズカーを手掛けるオーテックからも、多くのモデルが登場していました。まず1996年に登場したのがタンゴです。
クラシカルな雰囲気とスポーティな印象を併せ持つ専用のエクステリアパーツが装着されていて、ヨーロピアンホットハッチを思わせるモデルに仕上がっていました。
そんなタンゴとは打って変わって、1997年に登場したボレロは思い切りレトロさを意識したエレガントなエクステリアパーツを装着。内装も木目調パネルやベージュのシートが与えられ、トータルコーディネートが施されていました。
オーテックジャパンが手掛けた2代目マーチラストのモデルとして、2000年に登場したのがポルカでした。
今までのモデルと同じように、レトロさを感じるエクステリアパーツが装備されているのはもちろんですが、注目したいのはインテリア。チェック柄の専用シートとドアトリムが装備されていて、見ていて楽しい、乗っても楽しいモデルに仕上がっています。
光岡ビュート
レトロでエレガント、そんなマーチを作っていたのはオーテックジャパンだけではありません。光岡自動車がマーチをベースに製造していたビュートは(現在も現行マーチをベースに販売中)、もっともクラシカルなエクステリアを身にまとったマーチでした。
ボディラインに大幅な変更が加えられているのはもちろんですが、セダンやカブリオレ、ロードスターなどといった多くのボディバリエーションを誇っていた点も独自のポイントと言えます。
トミーカイラ
スーパーターボがあった初代や、ニスモチューンや12SRがあった3代目と比べるとどこかスポーティさが薄い印象となってしまう2代目マーチですが、スポーツを全面に押し出したモデルもありました。それがトミーカイラから送り出されたm13です。冷却効率を意識した専用のエアロパーツを装備し、見た目がばっちり決まっているのはもちろん、専用の足まわりやエンジンのファインチューニングまで行われていました。
まとめ
多くの派生モデルが登場した2代目マーチ。それは3冠を実現したベース車の高い実力があったからこそとも言えるでしょう。こんなにロングセラーで多くのジャンルから愛されるモデルは希少な存在です。