昭和の空気を色濃く表現したカフェに 華を添えるマツダ・ポーター
旧いクルマが軒並み高騰し始めている昨今だが、そんな風潮はどこ吹く風。20代半ばでセカンドカーとして手に入れたマツダ・ポーターは、気がつけば今年で28年目の相棒だ。ガレージにしまい込んでいる訳でもなく、日常のアシとして普通に活躍し、そこにあるのが当たり前。流行にも左右されることなく、姿形はほぼ当時のままだ。 でも、ムキになって純正コンディションにこだわらず、遊びを取り入れることも忘れないオーナー。また5年ほど前に住宅、ガレージも併設した木造建築の和テイストのカフェをオープンした。そのマスコット的役割も兼ねつつ(?)、柔らかい光に包まれた空間に収まる1972年式のマツダ・ポーターは、今日も変わらず元気に走ってます!
初出:AUTO STYLEvol.35 軽トラスタイル01
普遍的な魅力で溢れるポーターはオーナーのライフスタイルの一部
1969年から20年間に渡り、マイナーチェンジのみで生産され続けたマツダのポーターキャブ。1969年から1976まで生産された360ccの初期モデルは、その愛くるしいルックスもあって大人気。現在では市場に流通することも希になってしまったほど。 今から遡ること28年前。当時マツダのディーラーに勤めていた知人から譲ってもらった、現在では超希少モデルとなっている360ccの2ストエンジンを搭載した1972年型は、当時のオリジナルカラーであるヘリオス・グリーンでオールペン。そのほか、スムージングされたベッドのゲートや、他車用ホイールの流用などを除いて、当時のオリジナルテイストを色濃く残し続けている。
カスタムのポイントは多くないものの、変えない部分、変えた部分のバランス感がセンスの見せ所。例えばポーターの一番の魅力でもあるツルンとしたフェイスにパッチリおめ目。ベゼルをプリズム塗装でペイントして、バッチリ昭和美人に。 ホイールは部品取りのマツダ・シャンテの裏リムと合わせてワイド化。約5.5Jまで幅広になり、135/80-10サイズを引っ張る。 アメリカン・カスタムにも造詣があるオーナーの遊び心を反映している、ブルードットを追加したテールランプ。ベッドのコンディションも抜群でテールゲートは丁寧なメタルワークによるスムージングがされており、シャープなルックスのリヤビューもポイントだ。 シートは入手当時はオリジナルのバイナルだったが、解体ヤードで見つけた観光バスの座席の生地を使って張り替えたという。座席の間のスイッチはいろいろなスイッチ類として機能する予定だったが、現在はダミーとなっている。モノ自体は本物だけに、いつも尋ねられるという。