ソケットレンチのサイズの不思議
柄が1本あればあとは先端のコマを交換するだけで、いろいろなサイズのボルト&ナットに合わせられるのがソケットレンチのメリット。あると便利な工具だ。もちろん規格がいろいろとあって、まずはソケットとハンドルの差込角から見ていくと、一番使うのが3/8で、その次により力がかけられる1/2となる。
これはインチ表示で、インチは約25mmなので前者は9.5mm(sqとも言う)、後者は12.7mmとなる。インチ表示なのは1920年に今でもある工具メーカー・スナップオンによってアメリカで発明されたものだから。コマのサイズについては必要性の問題からインチもあるし、ミリもある。このふたつのサイズ以外にもクルマでは1/4インチ、つまり6.35mmも使われ、狭いところでの作業に重宝する。
ソケットには2種類ある
ミリとインチは別として、形状にはふたつの種類がある。それが当たり面の6角と12角。ボルトやナットの頭は6角が一般的なので、そこにピッタリとハマるのは当然6角。その倍となるのが12角で、こちらのほうがスムースにかけられるのでいいように思えるが、ボルト&ナットの角に当たる面積が少ないのでなめやすく、6角は面で当たるのでなめにくい。いい悪いではなく、作業性や回すもの、腐食具合などで使い分けられるとベストだ。
今急増中のトルクスには注意
ナットやボルトは外側から工具がかかって、それで緩める。逆に内側にかけるものもあって、六角ネジはお馴染みだろう。メリットは力がしっかりとかけられたり、いたずら防止などがある。さらに6角ではなくて星型になっているのがトルクスで、ピッタリと合う専用工具がないと緩めたり、締められない。そのため、いたずら防止力が高められている。 ちなみにトルクスは登録商標なので、一般的にはヘックスローブと呼ぶ。最近では真ん中に突起があるタイプや、星型の刻みが多いものなどが登場しているので、ますます専用工具がないと対応できなくなっている。ネジ形状には逆に凸となっているトルクスもあって、いずれも国産よりも輸入車に使われていることが多い。