ステージ0~2:湖から谷間を抜けてサハラ砂漠を南下
初日の「ステージ0」ではモロッコ北岸「ナドール」に朝に上陸してから、通関手続きと新型コロナウイルスの検査を終えて、街で最後のお買い物をすませたら80km南下。「モハメド5世湖」という人口湖のほとりで車検をして野営する。
なお「パンダ・レイド」の参加者たちのテントは、ワンタッチのポップアップ式。食事やトイレ、サービスカーは主催者側で用意しているので、寝床はササっと設営&撤収できればいいというわけだ。
ステージ1はいきなり414kmというロングステージで、そのうち半分は舗装路だが、岩場や砂丘も挟みつつ南下して「ブアルファ」郊外の野営地へ。ステージ後半では谷間を縫うような下り坂が続いていく。
続くステージ2では西の「メスキ」まで357kmの道のりで、石の粒の大きい道と砂地が連続するようになってきて、走行環境はいよいよ過酷さを増す。
ステージ3~4:砂漠でパンダとラクダが交流
ステージ3は距離こそ178kmのみだが、100%砂漠なのでテクニカルなコース。ドライバーのテクニックはもちろんだが、目標物がほとんどないため、コ・ドライバーのナビゲーションも大変だ。
サハラの砂丘は写真で見る分には美しいが、旧車のパンダにとっては言うまでもなく鬼門。スタックしたときは、通りすがりのほかのエントラントたちも手伝ってリカバリーする。
有名な観光地「メルズーガ」で1泊したのち、ステージ4は西へ向かって248km。ガレ場や砂漠が複合したコースだ。
途中、60kmほどただひたすら直進するエリアもあり気持ちよさそう。しかしその後にはまたシビアなコースが続き、とくに4WDではないFFパンダはスタックする車両が続出した。
ステージ5~6:砂まみれの果て、パンダたちが見たものは?
モロッコ南部の砂漠地帯を走り抜けるステージ5は318km。ひと口に「砂漠」といっても地形や路面状況はさまざまだが、このステージはすべてが複合したコースとなり、最後まで気を抜けない。
最終日のステージ6は184kmでそれほど長くはないものの、パンダに蓄積したダメージがピークに達しているため、最後はフラフラでゴールするクルマも少なくなかったという。
「ワルザザート」のゴール地点では、感きわまって号泣する人もいれば、抱き合うカップルもあり、ここでプロポーズしたエントラントもいたそうだ!
その日はディナーパーティーをし、翌日から「マラケシュ」に移動して帰国したわけだが、そこまでクルマで約200kmある。エントラントたちはもうひと冒険したはず……。
すでに2022年の「パンダ・レイド」は3月25日~4月2日で開催する旨がアナウンスされている。来春の時点でコロナ禍の情勢がどうなっているかまだ予測しにくいところだが、さらに再来年もおそらく開催されるはず。
日本から参加しようと思ったら、スペインかヨーロッパの知人に現地でパンダを調達してもらう手もあるが、事務局でも相談を受け付けているとのこと。「Panda Raid」の公式HPやFacebookをチェックしてみてほしい。
事務局のご厚意で写真を多く提供してもらったので、画像ギャラリーにて「パンダ・レイド」の雰囲気をじっくり味わっていただきたい。