どうなるEV時代? EVフェスティバルに見えたもの
日本EVフェスティバルは一般社団法人 日本EVクラブが主催、環境省、国土交通省、東京都が後援するイベントだ。日本EVクラブは自動車評論家の舘内 端(たてうち・ただし)氏が代表を務める団体で、1994年に市民団体として設立し、現在は一般社団法人となっている。2021年11月20日、東京都江東区青海にある東京国際交流館 プラザ平成にて、第27回 日本EVフェスティバルが開催された。そこで見えてきたものをお伝えする。
予想外のEV進化の半世紀
日本EVフェスティバルはクラブ設立の翌年、市販EVがここまで普及することを多くの人が予想しなかった1995年に第1回を開催。5台の改造EVと6台のERK(電動レーシングカート)が参加した。
現在は都内の臨海地区で、毎年11月に開催されている。2021年は「つながろう みんなでCO2削減」を合い言葉に開催。最新EV & PHV試乗会、メーカー展示、パネル展示、ミニトークショー、手作りEV展示、EVシンポジウムなどのメニューが行われた。午前10時〜午後4時までの538人が来場し、その数は年々増加傾向にある。
筆者は最新EV & PHV試乗会のインストラクターとしても参加したので、その模様を少し報告する。用意された試乗車はアウディRS e-tron、HW エレクトロ エレモ、プジョーe-208 GT(午前)& DS3 クロスバック(午後)、日産リーフe+、ホンダe、三菱エクリプス クロスPHEV、メルセデス・ベンツEQAの8車種というラインアップ。
HW エレクトロ エレモとは何か
最新EV & PHV試乗会は運転免許証を提示のうえ、当日受付で行われる形式でメルセデス・ベンツEQA以外の車種はすべて参加者が運転することが可能。インストラクターは助手席に乗って安全管理とともに、車種の説明と操作方法、EVならではの運転方法などを説明した。EQAはインストラクターの運転による同乗試乗であった。
筆者が担当したのは三菱エクリプス クロスPHEV、ホンダe、HW エレクトロ エレモの3車種。参加者はそれぞれに強い興味を抱いて試乗を行っていて、筆者が答えられないようなコアな質問も多く寄せられた。とくに注目度が高かったのはHW エレクトロ エレモ。狭い地区でのデリバリーなどを念頭に置いたトラック型のEVで、なかなか見かけることが少ないモデルであることも手伝って、大人気であった。試乗枠は午前、午後合わせて全部で98枠存在したが、すべてが埋まって希望する車種に乗れない人が出るほどの盛況ぶりであった。
メーカー新登場モデルあり手作りEVありとオンパレード
3時間半という長時間にわたって行われたEVシンポジウムは、事前に申し込んだ50名のみが参加可能(コロナ対策のため)であったが、早々に満席となった。北海道大学教授の橋本 努氏による「ロスト欲望社会〜エコ・ミニマリズムのすすめ」の基調講演に始まり、環境省の水・大気環境局自動車環境対策課による「行政の CO2 排出量削減計画」プレゼンテーション、日本EVクラブ会員で元 JAF Mate 編集長の鳥塚俊洋をコーディネーター、日本EVクラブ会員有志をパネラーとしたオンラインミーティング「EV 未来プログラム」公開ディスカッション『百万台 EV プロジェクト』が開催された。
メーカーEV展示ブースでは、アウディ e-tron 50 quattro S line、 HW エレクトロ ELEMO-200 BOX タイプ、HW エレクトロ ELEMO-K、 DS DS 3 CROSSBACK E-TENSE(午前の部のみ)、プジョーe-208 GT(午後の部のみ)、 日産リーフ e+、三菱アウトランダー PHEV、エクリプスクロス PHEV、横浜ゴム YOKOHAMA Original EV【AERO-Y】、横浜ゴム超軽量コンセプトタイヤ 、BMW i3を展示。
軽トラック仕様となるHW エレクトロ ELEMO-Kは今回がワールドプレミア、三菱アウトランダーPHEVは発売直後のモデルということでとくに注目を浴びていた。また、手作りEV展示には個性あふれるEVが多数展示され、こちらも注目の的であった。