ホンダNSX
2022年を持って生産終了と発表された2代目NSX。ミッドシップに3.5LV型6気筒ガソリンエンジンを搭載し、さらに3基のモーターを加えたハイブリッドシステムSPORT HYBRID SH-AWDを採用。
合計で581psを誇る、「新時代のスーパースポーツ体験」(New Sports Experience)という触れ込みで登場したにもかかわらず、販売面では鳴かず飛ばず……。2021年夏の時点で生産台数は2558台。日本国内では464台しか売れていない。
ここまで不人気だったのは、ホンダのスーパースポーツといいつつ、設計・開発・製造はすべてアメリカで、ちっとも国産らしさ、ホンダらしさが感じられなかったのも理由のひとつだろう。また、2400万円という強気の価格もあるはず。
2代目NSXの発売前年から復帰した、ホンダの第4期F1参戦で、第2期マクラーレンとのジョイント時代、2015年~2018年が大低迷。パワー不足+信頼性不足で、まったくイメージアップにつながらなかったダメージも大きい。
さらにいえば、わかりやすい対抗馬、ライバルがいなかったのも不運のひとつ。同じ価格帯、同じコンセプトの他社のクルマがあれば、それと比較し、「NSXはここが優れている」と言えたのかもしれない。だが、そうしたセールスポイントも直接のライバルもいなかったので、浮いた存在になった感は否めない。正直、スタイリングもスーパーカーらしい華々しさに欠けるし、全体的に中途半端。
F1参戦もそうだが、ハイエンドのスポーツカーは継続して作り続け、そのブランドを高めていく努力が必要。いまのホンダにはそうした土性骨の強さ、腹が据わっている感じがみられないので、ホンダファンも盛り上がりきれないのが現状なのでは?
まとめ:攻めるのは3代目でもいいのでは?
ほかにもマツダのロードスター(NB)などは、2代目として苦戦した例だが、2代目はやっぱり難しい。初代は、「こんなクルマを待っていた!」と歓迎される流れがあるし、同じ血統で比較されることはない。
しかし、2代目はどうしても初代との比較になり、「俺たちが欲しかったのはこんな●●ではなかった……」といわれがち。2代目は下手に個性を出そうとせず、とにかくキープオンに徹し、冒険するなら3代目、というのがベストかもしれない。音楽でもクルマでも、ファンというのは同じものを求めてやまない人種なのだから。