インド:軽自動車じゃない日本とはまったく別物の「ワゴンR」
南アジアの巨大マーケットで王国を築いているスズキ。日本でベストセラーとなった軽ワゴン「ワゴンR」の2代目を早くも1999年にインド市場へ投入し、1.0Lエンジンを搭載して現地で製造している。2010年には4代目ワゴンRを元にしたインド版2代目「ワゴンR」が登場し、独自のフロントフェイスが与えられた。
そして2019年にインド版で3代目となる「ワゴンR」が発売。これはスズキの最新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を使っているものの、それ以外は完全にインド独自設計のAセグメント・コンパクトカーとなった。
ボディデザインも専用で、全幅を145mmも拡大してサイズは全長3655mm×全幅1620mm×全高1675mm、最小回転半径4.7m。エンジンは従来同様の1.0Lに加えて、よりパワフルな1.2Lも設定している。
ちなみにスズキはパキスタンでも現地生産をしていて、「キャリイ」は「ボラン」や「ラヴィ」の名で、「アルト」はそのままの名で販売している。
欧州:日本では時が止まっている「マーチ」、欧州では2017年から5代目に
かつてコンパクトカー市場で輝いていた「日産マーチ」だが、2010年に4代目になってから11年、日本国内では今もそのままラインアップされているが、古色蒼然としている感は否めない。
ところが、欧州市場では「マイクラ」の名で売られているマーチだが、じつは2017年にフルモデルチェンジして「5代目マイクラ」(K14型)となっているのだ。ルノー・日産アライアンスに基づいて、フランスのルノー工場で生産されている。
サイズが従来のマーチより大型化し、全長3999mm×全幅1743mm×全高1455mm。ホイールベースも+75mmの2525mmとなった。トランスミッションは発売当初は5速MTのみで、のちにCVTと6速MTの仕様も追加された流れが、MT車が主流であるヨーロッパのコンパクトカー市場をよく反映している。
全幅が「ノート」よりも広く、日本市場に導入したくてもできないという日産の苦悩がしのばれるが、デザイン的には魅力的なコンパクトカー。5代目「マーチ」の日本導入の噂は定期的に流れてくるので、今回ご紹介した5モデルの中では、実現する可能性は一番高いかもしれない。