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「シティカブリオレ」に「サイノス・コンバーチブル」! 懐かしの国産「庶民派オープンカー」を振り返る

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

お洒落で贅沢で個性が楽しめるところが魅力だった

 コンパクト系のカブリオレというと、VWゴルフの初代カブリオ(“カブリオレ”と呼ぶようになったのは3世代目から)がお馴染み。日本で発売されたのは1980年のことで、もともとビートル・カブリオ(1949年!)の後継モデルということもあり、先代と同じカルマン社で作られたスペシャルなモデルだった。VWゴルフカブリオレ

 このゴルフ・カブリオレはポピュラーカーでありながら、お洒落で贅沢で個性が楽しめるところが魅力で、クラスレスの人気を博した。当然、ゴルフ・カブリオのフォロワーは、プジョー、オペル、フィアットなど数多く登場したのだった。そんな流れは、やがて日本車にも波及し始めた。

ホンダ初代シティのカブリオレ

 ゴルフ・カブリオ以降でいうと、まず最初に登場したのが、初代ホンダ・シティのカブリオレだった。初代シティ自体の登場は1981年11月で、4年目を迎えようとしていた年の夏(1984年7月)にデビューを飾る。ホンダ初代シティのカブリオレ

  ポイントはソフトトップの設計にイタリアのピニンファリーナの協力があったことで、このあたりの采配はさすがホンダといったところ。さらに12色のボディカラーとファブリック/ビニールレザーの2種類の内装を用意。182Lのトランク、トランクスルーも用意した。オーバーヘッド・バー(ロールバー)の付け根にはPininfarinaのバッジがつき、楽しげなシティ・ファミリーのなかでもひと際センスを味わいながら乗りこなせるクルマだった。ホンダ初代シティのカブリオレ

マツダ・ファミリア・カブリオレ

 登場年で追うと、1986年3月に登場した6代目ファミリア時代のカブリオレも見逃せない。搭載エンジンは当初は1.5Lターボから、のちに1.6LのDOHCに変わっている。兄弟車だったフォード・レーザーにも設定があった。マツダ・ファミリア・カブリオレ

スズキ・カルタス・コンバーチブル

 1990年代に入ると、スズキからカルタス・コンバーチブル(1992年2月)が登場。2代目のカルタスをベースに仕立てられ、何と2シーターの贅沢な仕様のクルマで、シートの背後には荷物を置く程度のスペースが残されていた。トノカバーはハードタイプの3分割構造を採用、トランクは“ゴルフバッグが2個入る大容量”とカタログに説明がある。スズキ・カルタス・コンバーチブル

 また世界初というフル電子制御のCVT(SCVT)をスズキ車として初搭載。エンジンは定評ある1.3LのEPI 1カム16バルブを搭載した。当時のカルタスGT-iと同等のポテンザ60タイヤ、前後スタビライザー、フロントベンチレーテッドディスクブレーキなど、意外にも(!?)スペックにもこだわっていた。スズキ・カルタス・コンバーチブル

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