ドイツのDTMと共通化を目指したマシンへ進化
2014年からはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と共通のモノコックを使用して戦うことになった。エンジンは2LターボのダウンサイジングNR20Aを搭載。空力ではダウンフォースの効く車両となった。ヘッドライトやフロントグリルの位置も高くなって市販車に近いスタイリングとなり、印象は大きく変化した。
そしてこの年、翌年とNISMOの23号車(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が連覇。2016年もGT-Rだけで8戦中5勝を挙げる活躍を見せたが、3連覇はならなかった。
2017年からはDTMとの共通モノコックの新規定となった。速くなったGT500車両のスピードを抑えるために、ダウンフォースが25%OFFとされた。これにGT-Rは対応できなかった。さらにホンダがF1で鍛えたプレチャンバーエンジンを投入すると、トヨタも開発&投入。GT-Rは2019年までの3年間でわずか3勝しかできなかった。
2022年の新マシンはどんな走りを見せつけるのか
2020年、DTMが消滅することで新たなモノコックはGT500規定とされた。GT-Rは新たなNR20Bエンジンを投入。今年は改良型のNR4S21エンジンとし、全体的な性能向上と燃費の向上を図り、2020年は2勝、今年も2勝を挙げてシリーズを盛り上げた。ライバルたちが前面投影面積の小さい空力に優れた車両で参戦するのに対し、GT-Rはよくここまで頑張って戦ったといえるだろう。
来季からの参戦車両は数日後に発表される予定(本稿は12月2日時点)だが、車両の名前は変ろうともGT-RのDNAは受け継がれるはず。いつかまたスーパーGTシリーズにGT-Rの名前が戻ってくることに期待したい。