ついに姿を表した新型インテグラ!
ホンダの北米法人が2021年11月20日、インテグラのプロトタイプを世界初公開した。イエローのエクステリアカラーのなかに、フロントグリル、フロントバンパー中央部からサイド部にかけてブラック基調とし、19インチを履くサイドビューではINTEGRAロゴが目立つ。
人気映画のおかげで若者から絶大な支持を得た
今回のワールドプレミアのキーポイントは、アキュラブランドにある。ホンダはアキュラをアメリカを中心にグローバル展開しているが、1986年のアキュラブランド立ち上げ期から一貫して「アキュラはけっして、高級感を優先するラグジュアリーブランドではない」と主張してきた。
日系の上級ブランドではレクサスとインフィニティがあるが、レクサスはトヨタに対する上位、そしてインフィニティは日産に対する上位という位置づけの商品性と価格設定をしている。
対するアキュラは、“上級スポーティなカルチャー”を真骨頂としたブランドであり、ホンダに対する上位ではなく、ホンダと微妙にクロスオーバーしているのが特長だ。
そうしたアキュラブランドの本質を最初に表現したのが、インテグラであった。インテグラとして活躍したのち、アキュラモデル名称が●●Xに統一されるなかで、アキュラRSXを名乗った。
筆者は80年代から2000年代にかけて、こうしたインテグラの軌跡をアメリカ各地で肌感覚として味わってきた。
とくに90年代末から2000年代初頭、米西海岸を中心に日系チューニングカーブームが巻き起こった際、若者の間でインテグラ人気が急上昇した。その光景は映画「ザ・ファースト・アンド・ザ・フューリアス(邦題:ワイルドスピード第一作)」に詳しい。
当時、若者はインテグラに対してけっして大パワーや大トルクを求めず、後付けターボではなく、エアフィルターの最適化や排気系などのライトチューニングが基本。ローダウンやホイールによるファッショナブル性と、日常的に楽しめる気軽な走りのなかで、アキュラカルチャーを満喫していた。
今回プロトタイプとして登場し、2022年に北米向けに量産される新型アキュラインテグラには、そうしたインテグラとしての原点回帰を感じる。
ワールドプレミアの場をロサンゼルスオートショーではなく、あえてホンダ北米法人の本拠地であるロサンゼルス近郊のトーランスで開催された、80~90年代のクルマカルチャーを楽しむイベント「RADwood SoCal」に選んだのも、そうしたアメリカでのインテグラの歴史に対する裏打ちがあるからだ。