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「オート三輪」にホンダエンジンをぶち込み魔改造! ヤンチャすぎるドリフトにイタリア人大熱狂

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TEXT: Auto Messe Web編集部 竹内耕太  PHOTO: Loris Rosati/Piaggio Group

  • アペ・レースのチャンピオン、ロリス・ロサーティさん
  • 三輪車ゆえレース規程や安全規定は厳格
  • アドリア海に面したファーノ出身のロリスさん
  • 自宅の庭でアペのレースマシンを製作・整備
  • 21歳の2013年にアペ・レース王者になり、4連覇
  • 派手なパフォーマンスはヨーロッパ各地のイベントで人気
  • ホンダCB600F(ホーネット)用のエンジンを搭載
  • アペの楽しさを世界中に伝えたいというロリスさん

イタリアにはオート三輪「ピアッジオ・アペ」のレースが存在

 日本にも昔は「オート三輪」があったし、タイの「トゥクトゥク」やインドの「オートリクシャー」など、まだまだ現役の国もある。そしてイタリアでも、「ピアッジオ・アペ」という三輪車が今なお販売されているのだ。

 しかもヤンチャな走りが大好きなイタリアの国民性ゆえか、「アペ」を改造しまくってレースしている人たちもいる。そしてここ10年近くアペ・レース界の絶対王者の座に君臨しているスター・ドライバーが「ロリス・ロサーティ(Loris Rosati)」。なんと弱冠29歳のチャンピオンだ。

アペ・レースのチャンピオン、ロリス・ロサーティさん

1948年から70年以上も続いている名作オート三輪「アペ」

 イタリアを代表するスクーター「ベスパ(Vespa)」が1946年に発売された2年後の1948年、「ピアッジオ」社はベスパのリヤを二輪にして荷台を載せた「アペ(Ape)」を発売した。なお、「ベスパ」はイタリア語で「スズメバチ」、「アペ」は「ミツバチ」の意味だ。

 アペはやがて屋根とドアを備えるようになり、バリエーションを増やしてイタリアの市街地から田園まで、あらゆるシーンに普及。1969年にボディを小型化してからは基本設計を変えないまま、なんと今でも新車で販売されている超ロングセラーである。

ピアッジオ・アペは1948年からのロングセラー

コマのようにクルクル回る三輪ならではのレース規程

 イタリアの走り好きたちがこの手ごろなオモチャを放っておくわけもなく、アペ専門のレースが毎年何戦も開催されている。しかも適当な草レースではなく、UISP(イタリアスポーツ連盟)に加入してレギュレーションが厳密に定義されている本格的なレースだ。まあ、重心が高い三輪車なのだから放っておけば転倒しまくって危険極まるのだから、当然といえば当然だが……。

 ベース車両のアペはエンジンが50cc2ストロークで最高出力わずか2.4psという可愛らしいスペックだが、当然みんなバイク用のエンジンに載せかえて、排気量でクラス分けされている。450cc以上のクラスがもっとも過激で、なかには「ドカティ」や「アプリリア」の1000ccエンジンを搭載する猛者もいるほど。

 当然、マトモに曲がるためにリヤのトレッドを拡大することになり、上位クラスはリヤトレッド1.8mまでOK。安全装備、ボディ剛性強化、サスペンションに至るまで、「アペ・レース」独自のチューニングが求められるわけだ。

三輪車ゆえレース規程や安全規定は厳格

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