レガシィとレヴォーグに囲まれながら密かに輝きを放ったエクシーガ
スバルの歴代モデルのなかでも、3列シートを有しているモデルは数少ない。軽規格のサンバーをベースに排気量を拡大したドミンゴ、オペル・ザフィーラのOEMモデルのトラヴィックといった、一風変わったモデルが多かった。
ステーションワゴン感覚で運転できる取り回しの良さが魅力
エクステリアは4代目レガシィをひと回り大きくした印象で、ミニバンというよりもステーションワゴンのような洗練されたルックスで7名乗車を可能としながらも、日常の取り回しも扱いやすかった。それでいて、室内はしっかりと大人7人が乗車することができる空間を確保、モデル末期にはSUVスタイルを取り入れたエクシーガ・クロスオーバー7も登場した。
走りにこだわるスバルの象徴としてSTIコンプリートモデルも設定
ミニバンとしてはスライドドアを持たないエクシーガは、箱型ミニバンほどファミリーユースから支持されなかった。だが一方でヒンジドアとしたことで重量増を抑え、軽快なフットワークと低い重心により高速道路でも横風に煽られふらつくミニバンを尻目に安定した走りが自慢であった。
また、走りのGTをベースとしたSTIコンプリートカー「tuned by STI」や「tS」なども限定販売され、サーキットからアウトドアユーズまでマルチに使えるモデルであった。カスタムやチューニングの面でもエクシーガ専用のパーツも設定されたほか、スバル乗りの定番ともいえる流用チューニングとして3代目インプレッサや4代目レガシィなどの一部パーツ流用が楽しめるのも、ほかのスバル車と同様だ。
ミニバン需要は絶対ある! 日本にもやっぱり7シーターモデルが欲しい!!
スバル車のなかでは珍しくひと世代で絶版となったモデルではあるが、その一方で走りと多人数乗車という相反する特徴を見事に両立したモデルとして、今もなお支持するユーザーはたくさん存在する。スバルらしい安全性の高さと走りの気持ち良さを、7人乗りで実現したモデルの復活を切望する声はいまも多い。