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「キョンキョン」のCM、覚えてますか? 意外としっかり者だった2.5BOX軽「オートザム・レビュー」

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

フロントシートにはキングサイズシートを採用

 一見するとスタイル重視にも思えたが、その実、合理的なパッケージングで十分な室内スペースとトランク容量(SAEで280L)が確保されていた。フロントシートは、広報資料によれば“キングサイズシート”を採用。後席左右にはELR3点式シートベルトを装備していた。オートザム・レビュー

 トランクリッドは、B3のアウディ80などでも採用していたダブルリンクヒンジ式を採用。トランク内にステーを張り出させることなくリッドの開閉を可能にした、凝った構造を取り入れていた。オートザム・レビュー

 凝ったといえば、世界初を謳った3way電動スライド式キャンバストップの採用も、このクルマの自慢のひとつだった。カタログのそのページを撮っておくことにするが、オープン時のソフトトップの畳まれ方を、後ろ寄せ/前寄せ/中間の任意寄せと自由に使えるところが、このキャンバストップ式サンルーフの売りだった。オートザム・レビュー

 そういえばこのレビューの先輩にあたるマツダ製のコンパクトカー、フォード・フェスティバ(1986年)にも、ルーフが大きく開くキャンバストップが用意され、セールスポイントのひとつになっていたから、そうした繋がりはあったのだろう。

 そのほか本革シートが標準のK1キュイルなども設定。コンパクトカーながら、スタイルや上質感にこだわるユーザーをも満足させる仕様も用意されていた。オートザム・レビュー

 搭載エンジンは、1.3Lまたは1.5L。すべてのグレードに5速MTまたは4速ATが設定されていた。エンジンは新開発でいずれも16バルブを採用。カタログにはそエンジンのカットモデルのイラストも載っているが、動力性能を誇示するスポーティモデルではなかったものの(モモのステアリングを装着した特別仕様車のK1-βなどあったが)、1.5LのATには、アクセルを踏み込むスピードと量でパワーモードとノーマルモードを自動選択するという“オートパワー”と呼ぶ機能が組み込まれていた。

 なおレビューよりひと足先、1989年に登場した軽自動車のオートザム・キャロルとは、丸みを帯びたルーフラインなどデザインテーマに共通性があるようにも見えたが、とくにそのことが意識された訳ではなかったようだ。丸いカタチは人を優しくするものだが、レビューもただの合理的なだけのコンパクトカーではなく、人の気持ちに馴染む愛らしく表情豊かなクルマに仕上げられていた。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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