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「75歳以上の高齢者」だけが悪者なのか?「運転技能検査」実施で本当に事故は減らせるのか

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TEXT: 諸星陽一  PHOTO: Auto Messe Web編集部

75歳以上の運転免許更新で気をつけること

 75歳以上の運転免許更新がますます難しくなっている。もちろん、これは高齢者の運転が原因での事故を減らすことが目的。テレビをはじめとしたメディアでは、高齢者が第一当事者となる交通事故のニュースがセンセーショナルに報道されている。

 しかし、免許保持者10万人あたりの死亡事故件数では、10代と20代前半のほうが事故件数は多くなっている。とはいえ、高齢者の事故が少ないわけではない。運転がきちんとできる人は免許を更新可能、運転ができない人は免許を停止、もしくは取消というのは正しい方向だといえる。

運転がきちんとできる高齢者であることを判断される

認知機能がどうかの検査にプラスされる 

 従来、75歳以上の人が運転免許の更新をする場合、まず最初に認知機能検査を受検する。ここの検査で「記憶力、判断力が低くなっています」と判断された場合は専門医の診断を受けて認知症であるか否かを判断し、認知症であると判断された場合は運転免許が停止、もしくは取消となる。認知機能検査

 一方、認知機能検査をパスした人(①)と、医師の診断で認知症ではないと診断された人(②)は、高齢者講習を受講(①の人は2時間、②の人は3時間)したのちに運転免許の更新が可能となる。

交通違反により技能検査が課せられる高齢者

 違反などをせずに免許の更新時期を迎えた75歳以上の人は、従来どおり上記の要領で免許の更新が可能だが、一定の違反があった場合は「運転技能検査」という実地にて運転技術を確認する検査がプラスされ、来年の5月から始まる。「運転技能検査」は免許有効期限の6カ月前から受けることができる。この間に何度受けてもよく、合格すれば上記の認知機能検査に進める。違反歴があれば運転技能検査が課せられる

「運転技能検査」は自動車教習所や運転免許試験場で行われるということなので、イメージとしては仮免試験といった感じになるのだろう。所内のコースを指定速度で走ったり、一時停止、信号、右左折などの状況を判断。減点法で採点され、1種免許はマイナス30点、2種免許はマイナス20点までが合格ラインとなる。採点項目は多岐にわたるが、たとえば信号無視で車体の一部が横断歩道に掛かった場合の減点はマイナス35点なので、このミスでは一発不合格になるといった具合だ。

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