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「寒いほうが速い」のは何故? 冬にサーキットを走る「メリット」と「意外な注意点」とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web

  • サーキット走行のイメージ写真

  • タイヤの温度を確認してる様子
  • サーキット走行のイメージ写真
  • 水温計のイメージ
  • エンジン吹き上がりのイメージ
  • 減速しているイメージ
  • スリップしてるイメージ

メリット多しだが注意点もある

 今年も寒い冬がやってきた。スーパーGTをはじめ、多くのモータースポーツはシーズンオフを迎えるが、雪が少ない地域にあるサーキットのほとんどは営業中。レースのようなイベントこそ少ないものの、人によっては「冬こそタイムアタック!」と、今の季節に狙いを絞るケースも少なくない。寒い時期にサーキットを走るメリット、そして注意すべき点を解説したい。

エンジンの負担が減って本来の力を発揮しやすくなる

 まず冬になるとタイムアタック派が意気込む理由。夏に比べて気温が低いためエンジンの負担が減り、さらに外気温が低ければ空気の密度が上がって充填効率もアップする。つまり過給機の有無に関係なく暑い季節よりパワーが出やすいのだ。そのような理屈は知らずとも、実際に冬のサーキットを走ってみて、大きくタイムアップしたりエンジンに力があると感じた人も多いだろう。

エンジン吹き上がりのイメージ

タイヤなどが熱ダレしにくくなる

 もうひとつのメリットはタイヤも熱ダレしにくいこと。重量級のハイパワー車で真夏に全開アタックすれば、タイヤの美味しいところを使えるのはせいぜい2~3周だ。ところが冬は路面温度が低いためグリップの低下が緩やかで、アタックするチャンスは増えるし、クーリングも早いといいことずくめ。もっとも寒いことによるメリットは、デメリットと背中合わせでもある。

タイヤの温度を確認してる様子

朝一番などでは熱が入りにくいため準備は念入りに

 続いては冬のサーキット走行における注意点を解説しよう。一番はタイヤが温まりにくいこと。路面温度が低いせいでタイヤに熱が入らず、ほかの季節と同じように1~2周のウォーミングアップを済ませて全開走行したら、タイヤが思った以上にグリップせずスピンやコースアウトを喫した、なんて苦い思い出を持つ人も少なからずいるに違いない。安全のため通常より長い時間をかけてタイヤを温め、グリップの状態を確かめながら徐々にペースを上げていくべし。

スリップしてるイメージ

 なお温まりにくいのはタイヤだけじゃなくブレーキも同様なので、最初のうちはいつもより早めのポイントから減速し、少しずつ詰めていくように走ればリスクは減らせる。

減速しているイメージ

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