上質さに楽しさもプラスするワークスマシン一気乗り
モータースポーツ直系のワークスブランドであるTRD/NISMO/MUGEN/STI の4ブランド。スーパーGTなど国内最高峰のレース活動などをはじめ、カスタマイズパーツの企画・製造、販売などそのビジネスは多岐にわたる。また、モータースポーツで培った技術力は、市販車をより上質かつ快適に走らせるのにも役立てられ「速さ」の追求だけじゃない。各ワークスブランドのこだわりをモータージャーナリスト斎藤 聡がインプレッションする!
パワーアップより走りやすさを追求した最強V37スカイライン
【NISMO/スカイライン400R】
最初に試乗したのはスカイライン400Rをベースにしたニスモパ―ツ装着車。スポーツチタンマフラーを筆頭にS-tuneブレーキパッド、フロントアンダースポイラー、ピラーガーニッシュ、マルチファンクションブルーミラー、ドアハンドルプロテクターなどの各種パーツが装着されている。なかでも、もっともニスモらしいアイテムがスポーツリセッティングTYPE-2のECUチューンだ。
狙いはブーストアップによる低中回転域のトルクアップや点火時期変更による高回転域でのキレいのいい吹き上がりの実現。またドライブモードであるSPORTSモードとSPORTS+モードを選べば、低中速域のアクセルレスポンスが向上。ノーマルでも405psを発揮させる強烈なエンジンを搭載する400Rを、最高出力の増強ではなく、2000~4000rpmあたりのトルクアップなどエンジンの力感を高めた印象だ。もちろん高回転域までエンジンを回すと、シャープな吹き上がりによって鋭い加速力を見せてくれる。このあたりはレースで得たノウハウが生かされているのだろう。
試乗して気になったのは405psのエンジンポテンシャルを考えると、ノーマルでもLSDは必須だろう。ニスモでもLSDの開発計画はあり、どんなものになるかは乞うご期待となるが着々と開発が進められているという。
「スカイライン400R ベースモデル主要諸元」
〇全長×全幅×全高:4810mm×1820mm×1440mm
〇ホイールベース:2850mm
〇最低地上高:130mm
〇車両重量:1760kg
〇エンジン型式:VR30DDTT
〇エンジン種類:3.0L V型6気筒DOHCツインターボ
〇最高出力:298kW[405ps]/6400rpm
〇最大トルク:475N・m[48.4kg-m]/1600ー5200rpm
〇トランスミッション:7速AT
〇サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
〇ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
〇タイヤサイズ 前後:245/40R19
「装着部品:アイテム/価格」
□スポーツリセッティング TYPE-2/14万3000円(工賃込)
□スポーツチタンマフラー/43万78000円
□S-tune ブレーキパッド/5万2884円
□フロントアンダースポイラー/16万9400円
□ピラーガーニッシュ/3万800円
□マルチファンクションブルーミラー/2万3100円
□ドアハンドルプロテクター/3080円
□ドアインナープロテクター/2万5300円
※価格は全て税込
高剛性かつバネ下の軽量化でキレ味のよい走りを披露!
【NISMO/オーラNISMO】
もう一台はオーラNISMOに対して、ニスモ製パーツをさらに追加装着したクルマだ。基本的にはエアロパーツをはじめとした内外装のドレスアップパーツで構成されている。そのため走行性能の大幅なポテンシャルアップは期待できないだろうと思っていたが、いざ試乗してみると足元が軽く、素晴らしいフットワークのよさに驚かされた。
とくに特設された試乗コースを右から左、左から右へと素早い切り返しが求められる場面でもシャキッとした小気味のいい動きを披露。これは軽量&高剛性の鍛造アルミホイールの効果なのだろう。また試作のフロントリップスポイラーとルーフエクステンションスポイラーは、前後の空力バランスの最適化を狙って開発したもの。今回の試乗では速度域が高くなく、その効果は確認できなかったが発売が期待されるアイテムだ。
「オーラNISMOベースモデル主要諸元」
〇全長×全幅×全高:4125mm×1735mm×1505mm
〇ホイールベース:2580mm
〇最低地上高:115mm
〇車両重量:1270kg
〇発電用エンジン型式:HR12DE
〇発電用エンジン種類:1.2L 直列3気筒DOHC
〇最高出力:60kW[82ps]/6000rpm
〇最大トルク:103N・m[10.5kg-m]/4800rpm
〇モーター最高出力:100kW[136ps]/3183〜8500rpm
〇モーター最大トルク:300N・m[30.6kg-m]/0〜3183rpm
〇サスペンション 前/後:ストラット/トーションビーム
〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
〇タイヤサイズ 前後:205/50R17
「装着部品:アイテム/価格」
□フロントリップスポイラー/試作品
□ルーフエクステンションスポイラー/試作品
□鍛造アルミホイール LM GT4S/7万9200円(1本)
□フロントグリルガーニッシュ/8800円
□バンパーサイドガーニッシュ/1万9800円
□リヤバンパーガーニッシュ/1万9800円
□サイドロアガーニッシュセット/3万800円
□アンテナ&ウィングサイドガーニッシュセット/2万4200円
□ピラーガーニッシュ/3万7950円
□マルチファンクションブルーミラー/2万3100円
□ドアハンドルプロテクター/4400円
□プラスチックバイザー/2万2000円
□インテリアパネル(シフトノブベースフィニッシャー)/1万8700円
□インテリアパネル(ウィンドウスイッチフィニッシャー)/4万700円
□キッキングプレート/4万700円
□ドアインナーガーニッシュ/2万4200円
□フロアマット/3万800円
□ラゲッジマット/1万8700円
※価格は全て税込
フレキシブルパーツの装着でジェントルかつ的確ハンドリングを演出
【STI/フォレスターSPORT】
「運転が上手くなるクルマ」をテーマにチューニングパーツの開発を行っているSTI。クルマの無駄な動きを抑え、応答の遅れをなくしてドライバーの操作がそのままクルマの動きに反映されるようにチューニングされている。もちろんエアロパーツはドレスアップ効果と同時に、前後の空力バランスを整えてゼロリフトを基本にした設計となっている。
試乗したフォレスタ―(グレード:SPORT)にはまさにそんなエアロチューンが施され、前後の空力バランスを整えてSUVでありながらも安定感のある走りを演出。操縦安定性と一体感のある操縦性には、フレキシブルタワーバーと前後サスまわりに取り付けられたフレキシブルロードスティフナーが大きく貢献している。
無駄な動きや細かなブルブルした振動が不思議なくらいきれいに消されていて、ひとクラス上の上質な乗り味が得られることに加えて、ハンドルを切った通りにクルマが応答してくれる正確度の高い操縦感覚がを享受することができる。
「フォレスターSPORTベースモデル主要諸元」
〇全長×全幅×全高:4640mm×1815mm×1715mm
〇ホイールベース:2670mm
〇最低地上高:220mm
〇車両重量:1570kg
〇エンジン型式:CB18
〇エンジン種類:1.8L 水平対向4気筒DOHCターボ
〇最高出力:130kW[177ps]/5200ー5600rpm
〇最大トルク:300N・m[30.6kg-m]/1600ー3600rpm
〇トランスミッション/CVT
〇サスペンション 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
〇ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
〇タイヤサイズ 前後:225/55R18
「装着部品:アイテム/価格」
□STIエアロパッケージ(以下、4アイテムセット)/23万8260円(参考工賃込)
□STIフロントリップスポイラーセット(シルバー)/10万5380円
(参考工賃込)
□STIサイドアンダースポイラー(シルバー)/6万4680円(参考工賃込)
□STIエアロガーニッシュ/3万8060円(参考工賃込)
□STIリヤサイドアンダースポイラー/5万2140円(参考工賃込)
□STIテールゲートガーニッシュ/1万4190円(参考工賃込)
□STIドアハンドルプロテクター(シルバー)/9240円(参考工賃込)
□STIパフォーマンスマフラー/17万4460円(参考工賃込)
□STIフレキシブルタワーバー/3万6960円(参考工賃込)
□STIフレキシブルドロースティフナー/3万4760円(参考工賃込)
□STIフレキシブルドロースティフナー リヤ/4万3120円(参考工賃込)
□STI 18インチアルミホイール ブラック(1本、18×7.0J +48)/5万1040円(1本、参考工賃込)
□STIセキュリティホイールナットセット/3万6300円(工賃なし)
□STIバルブキャップセット(シルバー)/4290円(工賃なし)
□STIシフトノブ/2万6620円(参考工賃込)
□STIプッシュエンジンスイッチ/1万9140円(参考工賃込)
□STIラジエターキャップ/5060円(参考工賃込)
□STIバッテリーフォルダー(シルバー)/1万1880円(参考工賃込)
□STIドアインナープロテクター/1万9140円(参考工賃込)
□STIフューエルキャップオーナメント(カーボン調)/2200円(工賃なし)
□フロアカーペット ブラック(SUBARU純正)/2万7940円(参考工賃込)
□ナビゲーション・リヤビューカメラ・ドライブレコーダー・ETC/参考装着
※価格は全て税込
スポーツカーとしての走りの歓びをさらに高めるセットアップが秀逸
【STI/BRZ S】
フォレスターのさりげなく質感を高めた乗り味はなかなかに魅力的だったが、それ以上にインパクトがあったのが早くも登場したBRZのチューニングパーツ群だ。
試乗してみるとノーマルのBRZよりもさらにワンランク上のトラクション性能を発揮し、きっちりクルマを前に押し出してくれる足まわりに仕上がっていた。それでいながらハンドル操作に対するクルマの動きの精度が高く、無駄なステアリング操作をすることなく気持ちよく試乗コースを走らせることができた。
基本的に安定していてガッチリと路面を捉えている感覚が強いのだが、それでいながらフットワークが軽快で、重さや鈍さと無縁の軽やかなドライブフィールを実現していた。
これはSTIラテラルリンクセットや同フレキシブルVバー&フレキシブルドロースティフナーリヤ、そしてBBS製軽量鍛造アルミホイールなどが効いているのだろう。そしてもうひとつ、トラクションのかかり方が絶妙で微弱なアンダーステアセッティングが操縦性に貢献。これは前後とも10mmダウンのローダウンコイルスプリングによる効果が発揮されているのだろう。見た目はノーマルとの車高の違いはほとんど感じさせないが、その効果は抜群で注目のアイテムだ。
「BRZ Sベースモデル主要諸元」
〇全長×全幅×全高:4265mm×1775mm×1310mm
〇ホイールベース:2575mm
〇最低地上高:130mm
〇車両重量:1270kg
〇エンジン型式:FA24
〇エンジン種類:2.4L 水平対向4気筒DOHC
〇最高出力:173kW[235ps]/7000rpm
〇最大トルク:250N・m[25.5kg-m]/3700rpm
〇トランスミッション/6速MT
〇サスペンション 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
〇ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
〇タイヤサイズ 前後:215/40R18
「装着部品:アイテム/価格」
□STIエアロパッケージ(以下、3アイテムセット)/13万9040円(参考工賃込)
□STIフロントアンダースポイラー/5万6100円(参考工賃込)
□STIサイドアンダースポイラー/5万160円(参考工賃込)
□STIリヤサイドアンダースポイラー/4万5980円(参考工賃込)
□STIスカートリップ(チェリーレッド)/1万4080円(参考工賃込)
□STIドライカーボンリヤスポイラー/41万3160円(参考工賃込)
□STIフロントフェンダーガーニッシュ/3万9600円(参考工賃込)
□STIドアハンドルプロテクター(ブラック)/4620円(参考工賃込)
□STIトランクリッドガーニッシュ/9790円(参考工賃込)
□STIフューエルキャップオーナメント(ハイオク・シルバー)/1320円(工賃なし)
□STIコンプリートキット(以下、2点セット)/9万6910円(参考工賃込)
□STIフレキシブルVバー/6万1160円(参考工賃込)
□STIフレキシブルドロースティフナー リヤ/4万3120円(参考工賃込)
□STIコイルスプリング/6万8640円(4本セット、参考工賃込)
□STIパフォーマンスホイール BBS18インチ・マットブロンズ(18×7.5J +45)/38万4560円(4本、参考工賃込)
□STIセキュリティホイールナットセット/3万6300円(工賃なし)
□STIバルブキャップセット(ブラック)/4290円(工賃なし)
□STIドリルドディスク(F/R)/10万7800円(参考工賃込)
□STIラテラルリンクセット/6万2920円(参考工賃込)
□STIパフォーマンスマフラー/18万1940円(参考工賃込)
□STIレザーシフトノブ(6MT)/2万240円(参考工賃込)
□STIギヤシフトレバー/4万9720円(参考工賃込)
□STIプッシュエンジンスイッチ/1万9140円(参考工賃込)
□STIラジエターキャップ/5610円(参考工賃込)
□STIオイルフィラーキャップ/1万1880円(参考工賃込)
□STIバッテリーフォルダー(シルバー)/1万1880円(参考工賃込)
□STIサイドシルプレート/1万9140円(参考工賃込)
□STIドアインナープロテクター/1万8260円(参考工賃込)
※価格は全て税込