ワークス製とサードパーティ製に分かれるカスタマイズパーツ
クルマをチューニングやドレスアップするためのパーツには、純正オプションの他にアフターパーツが数多にある。このアフターパーツを大別すると、自動車メーカー直系のワークスブランド製とサードパーティ製が存在する。
「サードパーティ」とは直訳すると「第三者」という意味で、日本ではIT分野から広まったフレーズであり、ファーストが当該メーカー、セカンドが子会社や関連会社とユーザー、サードが外部事業者という位置づけだ。
したがって大手のチューニングメーカーのパーツから、チューニングショップなどのオリジナルパーツまで、純正部品とワークス系以外のアフターパーツは、全部サードパーティ製というくくりになる。要するに「社外品」だと思えばいいだろう。
新車開発と並行してパーツ開発できるメーカーワークスの強み
というわけで、アフターパーツの多くがサードパーティ製となるワケだが、逆にいえばなぜワークス系パーツだけがなぜ区別されるのか? それはワークスブランドがメーカーの看板を背負っているだけあって、いくつかのアドバンテージを持っているからだ。
現在、国内メーカーでワークスといえるのは、下記の6ブランドになる。トヨタ=TGR/日産=NISMO/ホンダ=無限(M-TEC)/スバル=STI/三菱=ラリーアート(最近復活)/ダイハツ=Dスポーツなどがあり、かつてはマツダスピードやスズキスポーツもワークス活動を行っていた。
これらのワークスブランドは、自動車メーカー直系のモータースポーツ部門(多くは子会社)として、レース活動を行なっており、そのノウハウや開発規模、予算などは他のアフターパーツメーカーとは桁が違うのだ。
ちなみにトヨタ系のTRD&モデリスタ(トヨタカスタマイズ&ディベロップメント)、日産系ならオーテック、ホンダ系のモデューロ(ホンダアクセス)も直系ワークスと言える。
また新車が登場するときは、そのデビュー前からメーカーサイドと一体となって、パーツ開発に着手しているため、テストやデータ収集が十分に行われており余裕を持って製品化できる強みがある。
またサードパーティ各社では、パーツ製造の際に実車を元に採寸などを行なうが、ワークス系であればベース車の図面から設計を行えるので、公差が極めて小さく精度の高い部品を作ることができる。しかも純正部品を製造しているパーツサプライヤーとも連携しやすく、レース用部品の開発を通して少量生産部品やワンオフに近い部品の製造に長けている一面もある。もちろん各種の新素材にも精通し、特殊加工などの加工技術にも秀でている。