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「車中泊したいなら、実は軽自動車一択です」プロが断言する理由とは?

「室内空間が狭い=車中泊に向いてない」は嘘!

 車中泊に適したクルマなんだろう、そう考えたとき、ハイエースのような大型車を連想するかもしれない。しかし、意外にも軽自動車のなかに、車中泊するのに過不足のないクルマが存在する。軽自動車の小ささで、それは無理でしょう……と言われるかもしれないが、キャンピングカーでいわゆる軽キャンと呼ばれるカスタムカーがあるように、決して軽自動車の室内空間が車中泊に適していないとは言えないのである。

 そもそも軽自動車は限られた車体寸法のなかで、いかに室内空間を広くとるかのパッケージング技術を磨いてきた。ホンダN-BOXやスズキ・スペーシア、ダイハツ・タントなどのスーパーハイト系軽自動車の運転席、後席に座ってみれば、コンパクトカーなど敵にしない広さがあることがわかるはずで、それこそ中型車よりも広かったりするのである。 例えば、軽自動車メーカーのダイハツが造ったトヨタ・ルーミー、ダイハツ・トールを見れば一目瞭然。コンパクトSUVのトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーのラゲッジスペースが下克上的に広く、使えるのも、軽自動車のパッケージング技術が生かされているからなのだ。

普段使いを考えるなら軽自動車がいい

 ところで、キャンプや車中泊を楽しんでいる人は、1年中365日、出掛けているわけではないはずだ。クルマは普段、乗用車として使い、買い物や送り迎えにも使っているに違いない。そんなとき、大型キャンピングカーしか所有していなければ、その車体の大きさや走行性能に100%満足できるとは限らないのも事実だろう。運転しやすく、小回りがきき、燃費が良く、駐車もしやすいクルマのほうが楽だし、使い勝手がいいに決まっている。

 そう考えると、セカンドカー需要を含め、軽自動車の価格やサイズは魅力的であり、もし広々とした室内空間で車中泊が可能だとしたら、ある意味フットワークも軽い、万能のミニマムサイズカーとなりうるのである。とくに運転がそれほど得意ではない人にとっては、軽自動車のサイズ感は大きな武器になる。

アウトドアに似合う軽その1:ダイハツ・ウェイク

 そこで、車中泊が無理なくできる、そしてアウトドアに似合う軽自動車を探してみると、意外なほど選択肢が多い。ダイハツ・ウェイクは乗用車そのものの運転感覚、乗り心地にして、変幻自在のミラクルパッケージによって、前席まで倒すことで大人がまっすぐ横になれるスペースが出現。

 しかも、ラゲッジの床下には90Lもの大容量アンダートランクを備えているから、実際に車中泊をしてみるとその使い勝手の良さが身に染みるはずである。

 ラゲッジが汚れに強い素材で覆われているのはもちろん、グレードによっては防水フロア仕様もあるから、汚れを気にせず使い倒せることになる。

 アウトドア、車中泊対応の純正アクセサリーとして、前席からラゲッジまでのスペースに敷けるジョイントクッション、カーテン、プライバシーシェードなども揃っているし、自転車用のサイクルホルダー、釣り竿用のロッドホルダーまであるのだから、文句なしである。

アウトドアに似合う軽その2:スズキ・ハスラー

 普段使いにも最高で、乗り心地の良さでは軽自動車随一と言える、車中泊対応のクロスオーバーモデルの代表格が、高い4WD性能に加えて悪路&雪道走破性能さえ持ち合わせたスズキ・ハスラーだ。

 さすがに軽自動車の全長、ホイールベース、室内長だから、ウェイク同様に後席だけ倒した状態では、大人が横になれるはずもない。だが、前席まで倒したフラットモードにすれば、なんとベッド長2040mmが確保されるのだ。

 前後席部分に多少の凸凹はあるのだが、純正アクセサリーとして、それを解決する2枚一組のリラックスクッションを用意しているから万全。さらにカーテン&タープ、プライバシーシェードなど、アウトドアや車中泊対応のアイテムも勢ぞろい。アウトドアや車中泊を楽しむために、悪路を延々と走ることが想定されるなら、クロスオーバーモデルとして走破性もバッチリな新型ハスラーで決まりだろう。

 

アウトドアに似合う軽その3:ホンダN-VAN

 乗用車的な運転感覚や乗り心地よりも、室内空間がより広く使いやすく、フラットな床面であってほしい、というなら、極めつけはホンダN-VANだろう。

 基本は働くクルマで、バンや商用車的な運転感覚、乗り心地、そしてシートのかけ心地である。しかし、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによってフロアはごく低く、助手席までフラットにできるため(本来は長尺物を積むため)、本来、大荷物を積むための室内空間は呆れるほど広大。

 後席と助手席を畳んだ最大フロア長(ベッド長)は2600mm前後に達し(運転席側は1650mm)、つまり、助手席側に身長180cmの人が、運転席側は身長165cmまでの人が真っすぐ寝られることになる。天井高が1365mmもあるため、寝るだけでなく、フラットな室内空間をお座敷感覚で使うことまでできるのだから、アウトドアや車中泊にぴったりである。 ターボを選べば、長距離移動も動力性能的にはそれほど苦にならないはずである(長距離移動中の快適感は別)。それで価格は100万円台なのだから、上級車を買うつもりの予算から余った分を、車中泊の旅の費用に回せたりするのである。くどいようだが、軽自動車メーカーのスーパーハイト系やクロスオーバーモデル、働くクルマのパッケージング、室内空間、車中泊のしやすさをナメてはいけない。

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