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まさに「走る博物館」! 100台以上のクラシックカーが東京で「知的なモータースポーツ」を楽しむ! その醍醐味とは

ベテランからビギナーまで楽しめる1Dayイベント

 長きにわたってガレージを拠点としたステイホーム的なクルマ遊びが求められてきたが、ようやく、以前のように趣味車系の大規模イベントも開催されるようになってきた。コ・ドライバーとのコンビネーションおよび集中力をどこまで高められるか? が基本となり、黙々と楽しむことができるヒストリックカーラリーは、昨今のコロナ禍においてもオススメのクルマ遊びだといっていい。

 気軽に参加できる1Dayイベントとして開催されているCOPPA DI TOKYO(以下:コッパ ディ 東京)は、雰囲気のいい建物が建ち並ぶ汐留イタリア街をスタート/ゴール地点としているヒストリックカーラリーだ。ルートマップを見ながらスタンプポイントとして設定された都内の観光名所と、PC競技の会場を巡るという定番のスタイルを採用。ヒストリックカーラリーのベテランはもちろん、ビギナーにもピッタリの好イベントとなっている。

 珍しいクルマがたくさんエントリーするため、筆者は気軽に参加できるヒストリックカーラリーであると同時に“走る博物館”としても楽しんでいる。

PC競技とツーリングが楽しめる

 今年も入場が規制されたが、たくさんのギャラリーが汐留イタリア街に駆けつけた。 PC競技は決められた区間を主催者が設定したタイムで、いかに正確に走行することができるかを競うコンペティションのこと。知的なモータースポーツとして知られ、実際に数多くのヒストリックカーオーナーが楽しんでいる。

 ウレシイことに、コッパ ディ 東京は、真剣にPC競技を楽しむもよし、都内の観光名所を巡るツーリングとしてイベントを楽しむもよし、その両方を楽しむもよし、といった内容となっているため、毎回、大盛況なのだ。

 なお、今年のPC競技は最初が4連続で、PC1/30m/7秒、PC2/70m/13秒、PC3/25m/7秒、PC4/20m/6秒というタイム設定。最後のPC5は、30m/7秒だった。

 汐留イタリア街周辺のコインパーキングが都市開発によって減ってしまってからは、三密を避けることも考慮して参加台数を減らしている。それでも、今年は筆者の愛機であるアルファロメオGT1600ジュニアも含めると120台が参加。

都内の観光名所を巡るコース設定も人気のひとつ

 1920年式のブガッティT13ブレシアをはじめとする戦前車から、1992年式のロータス・エランM100までの昨今の名車が都内を疾走した。 例年よりも走行距離が長かった今年は、汐留イタリア街、銀座、神田明神、上野寛永寺、今戸神社、柳橋、レインボーブリッジ、三田、西麻布、南青山、霞ヶ関、飯倉、赤羽橋、芝公園を通過し、ふたたび汐留イタリア街に戻ってくるというルートだった。

 前半は川や運河が多く、かつて江戸が水の都であったことを偲ばせるルートで、レインボーブリッジを西進してからは、江戸が坂の町であったことを偲ばせるルートだった。

 具体的に説明すると、乃木坂のトンネルを越え、日枝神社に突き当たり、左カーブを抜けていった先にある坂道が難所で、ここの頂点部分にある信号の坂道発進がツラかった。また、増上寺の前も通過したが、イベントのパンフレットによると、上野寛永寺と増上寺は対を成す徳川の菩提寺で、日枝神社は江戸城の表鬼門である神田明神と対を成す裏鬼門に位置しているという。

 そのようなステキなルート設定になっている点も、コッパ ディ 東京が毎回、大盛況になっている理由のひとつなのであった。

初めてのラリーイベントとして最適

 昨年は11月22日に都内でのツーリングをシンプルに楽しむ内容と、11月23日に都内でのツーリングおよびPC競技を楽しむ内容で開催された。都内でのツーリングを楽しむバージョンが設定されたことで、より気軽にヒストリックカーラリーを楽しめるようになった。

 今年は11月23日の1Dayで、PC競技があるほうのコッパ ディ 東京のみが実施されたこともあり、参加希望者がとくに多かったことをお伝えしておきたい。

 都内でのツーリングおよびPC競技を楽しむ内容……という文字を見ると腰が引けてしまうかもしれないが、何も難しいことはない。初めてのラリーイベントとして最適なので、まだ参加したことがないというヒストリックカーオーナーは気軽にエントリーしてみるといいだろう。

 記念品をたくさんいただけること、珍しいクルマと連なって走れる瞬間があることも、コッパ ディ 東京の魅力である。

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